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次の日。
結局、わたしが寝た後帰ってきて、わたしが起きる前にはもう家を出ていたひろくん。
…結局いつもと何ひとつ変わらなかった。
お仕事、忙しいだけだよ。きっと、そう。
そこから数日間、平日はちゃんと出勤して仕事をこなして、唯一の楽しみのユウリちゃんとのランチを食べて、…ちまちまと残業して。週末はおうちのことやってって、頑張った。
何度かひろくんの好きなものを作って待っていたけど、結局食べてくれることはあってもわたしが起きてる時間には帰ってこなかった。
朝、シンクに食べ終えたお皿が置いてあって、食べてくれたんだ、おいしかったかな、なんて思いながらお皿を洗って。
……あ。楽しみ、はもうひとつ増えた。
約束通り、わたしが仕事に追われてなくて、田中さんが会議や外回り入ってない日は�猗詭�基地�瓩任舛腓辰箸世韻�サボり。
「どうだった？昨日、彼氏帰ってきてくれた？」
「……たぶん？」
「たぶん？(笑)」
「もうここ何ヶ月かは、わたしが寝てから帰ってきてわたしより先にお仕事行っちゃうか、出張とかで泊まりで帰ってこないとかがほとんどなので、朝シンクにお皿があれば帰ってきたんだなあ、って」
「………なるほどね、…で、今日は朝起きたらシンクにお皿が置いてあったんだ」
仕事中は集中してるから考えずにいたものを、改めて思い返すとやっぱり悲しくなるな。
「…さみしいな」
ぽつり、と自分の口から出た言葉にちょっとびっくりして。ハッとして田中さんを見上げたら眉毛下げて心配そうな顔をしてた。
慌てて「っ、ほら、あの、おうちにひとりぼっちでいてもやることないし、わたし友達全然いなからお休みの日とかもおうちにいること多いんですよ！」って明るく見せたけど、やっぱり田中さんの眉毛は下がったままで。
……可哀想な子の押し売りみたいになっちゃった、申し訳ない。
「…ねぇ、Aちゃん」
「はい？」
「連絡先、交換しようよ」
今日もとっても似合ってる黒のスーツのポケットからスマホを取り出して。
「わ、わたしなんかがいいんですか……」
「ねぇ、その�爐覆鵑��瓩辰討笋瓩覆�(笑)」
Aちゃん�爐世�ら�畍世辰討鵑世韻鼻�なんてちょっと笑って首を傾げる田中さん。
「…それでさ、寂しい時とか、ひまだなって時とか、……つらいな、とか。そういう時、連絡して来ていいよ」
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作者名：なち
| 作成日時：2021年7月20日 21時
