スタンドバイ・ユー (ページ3)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:356 hit

０３ページ3

次の日、聴き慣れたアラームの音で目を覚ます

セミダブルのベッド、
隣には、誰もいない。

また溜息を吐きそうになって、飲み込む。

キッチンへ行けばシンクにコーヒーを飲んだであろうマグカップが置かれていて

もしかして、とリビングのソファを覗き込めば

……帰ってきてたんだ。

付き合い始めて２年半。同棲をし始めて２年になる彼氏、ひろくん。

出会いは、…まぁよくある大学生の頃の飲み会で仲良くなって、そこからよく遊ぶようになり、優しくて明るい彼に惹かれて付き合うことになった。

付き合って１年くらいは上手くいっていた。……多分。

いつからか小さなすれ違いが生まれ始め、いつの間にか会話も触れ合うことも少なくなり、今では私のことを好きでいてくれてるのか、…むしろこれは付き合ってると言うのかどうかすら、わからないまま。

昨日もいつ帰ってきたのかすら、どこにいたのかすら知らない。いつの間にか帰ってきて、ソファで寝ていた。

それでも一緒にいるのは、初めて付き合った人で、必要としてくれる彼の存在が私にとっても必要だからだと思う。

…もともと、友達付き合いも少なくて、家族とも仲が悪いわけではないけれどもう数年会ってなくて。そんな私には必要としてくれる彼の存在が大きかった。

もう２日、ちゃんと顔も合わせてない

初めの頃は仕事で遅くなる。と言うひろくんの帰りを眠い目を擦って待ち続けていた。

それをやめたのは、

起きて待つ私を見て、嫌な顔をしたから。

「…なぁ、俺待たなくていいつったよね？」

疲れてるから帰ってきてそのまま寝たい、そう付け加えられて言葉を投げられた。

…じゃあ、どうして同棲してるの？そんな言葉は言えなかった。