Like a Cinderella (Six) PT.1 (ページ36)

今日:21 hit、昨日:39 hit、合計:296,818 hit

036 ページ36

.

ㅤㅤ

ㅤㅤ

ㅤㅤ

ㅤㅤ
ㅤㅤ
大我くんの顔を見た瞬間安心したのか

通り過ぎて行って誰も助けてくれない絶望から解放されたからなのか

弘樹くんとの事があったからなのか

むしろそのどれもが一気に押し寄せて来て

堪え切れず涙がポロッと出てしまった

ㅤㅤ

｢帰ろっか｣

｢うん｣

ㅤㅤ
ㅤㅤ

ㅤㅤ

何事も無かったかのように歩き始める大我くんは

当たり前のように私の歩くスピードに合わせてくれる

ㅤㅤ
ㅤㅤ

ㅤㅤ
ㅤㅤ

ㅤㅤ
｢この辺あんまり変な人居ないと思ってたけど｣

｢ね、ビックリしちゃった｣

｢出没率レアだよ、レア｣

｢レアなのにあんまり嬉しくないな…｣

｢AちゃんだけリアルポケGOしてたよね｣

｢おぢさんはゲットしたくないよ？｣

ㅤㅤ

ㅤㅤ

ㅤㅤ

暗くならないように茶化して笑う大我くんに、私もつられて笑う

ㅤㅤ
ㅤㅤ

｢大我くん、ありがと。助かりました｣

｢明日のお弁当係が連れ去られたら困るからね｣

ㅤㅤ
ㅤㅤ

ㅤㅤ
素直じゃない言い方するのも彼らしい

普段樹くんに過保護にされてるのも納得出来るくらい綺麗で

女の子に生まれ変わっても絶世の美女になれると思ってたけど

大我くんもちゃんと男の人で、強くて、かっこいい人だなって思った

誰もが見て見ぬ振りをして

それが当たり前の世界で

大我くんも私の事を知らない通りすがりの人だったら

同じようにそのまま横を歩いて行ってしまってたかもしれない

ㅤㅤ

でもたまたまだったとしても、大我くんは見て見ぬ振りをしないで助けてくれた事が私にとっての現実

出会えた事が奇跡みたいに思えた

ㅤㅤㅤㅤ

ㅤㅤ

ㅤㅤ

.