Like a Cinderella (Six) PT.1 (ページ33)

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｢お疲れ様でしたー｣

今日も今日とて仕事をこなし、着替えてバックヤードに顔を出すと

｢帰ろっか｣

そう言って弘樹くんは私の隣にこっそり来て優しく笑う

こんな優しい人を傷付けていいのだろうか、という葛藤が続き

あの日皆の前で別れる宣言をして3日目になるのにまだ私は言い出せてなかった

今日こそ、と静かに心の中で固く誓う

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街灯の隣に咲き始めてた桜はもう満開と言っていいほど咲き狂い

こんな時まで明日の花見を楽しみに思ってしまうのが後ろめたくて目を逸らす

何も言えず弘樹くんの少し後ろをわざと遅れて歩く
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｢Aちゃん、明日は休み？｣

｢明日と明後日はお休みにした｣

｢そっか、友達と遊ぶんだっけ？楽しんで来てね｣

少し遅れて歩く私に気付いた弘樹くんは少し歩くスピードを落として

隣を歩こうとしてくれる

もうすぐ駅が見えて来る、早く言わなきゃ…

ぐっと立ち止まり

｢弘樹くん｣と名前を呼ぶ私に

｢ん？｣と立ち止まり振り返る

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｢弘樹くん…｣

｢どした？｣

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｢……別れたい｣

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顔を見れなくてじっとつま先を見つめる

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｢…なんで？｣

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そう聞く弘樹くんの声は少し強ばって

初めて聞く声に心がギュッと痛くなった

｢好きな人でも出来た？明日はそいつと会うの？｣

｢ちが、違うの。

私は人の事を好きになれない…だから、ごめん｣

｢じゃあ今まで俺の事好きじゃなかった…？｣

｢多分、そうだと思う、｣

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＂わかった＂

そう吐き捨てるように弘樹くんは去って行ってしまった

…最低だ、私

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