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「A、あったで」
俺がそう言うと
俯いていた顔を上げるA。
そのどこか光の無い瞳が
だんだんと潤んできて
俺はゆっくり近付いて
Aの手を取って
小さな手のひらにネックレスを
そっと置いた。
Aは大事そうに大事そうに
ネックレスを握りしめて
目にいっぱい涙を溜めながら
「廉……ありがとう」そう言った。
高鳴る心臓の音がはっきり自分で聞き取れる
でも、そのネックレスを
大事そうに握りしめる姿に
少し違和感を覚えた。
なんやろうこの既視感。
じっ、とAの姿を見つめてた。
するとトレーナーの袖が下がって
見えたのは忘れもしない
２年前の夏。
瞳に色が無かった女の手首。
そこには無数の傷があった
そして同じ傷がAの手首にもあった
さっきまで高鳴っていた心臓が
破裂しそうなくらい鼓動が早くなる。
嘘……やろ？あの時の女はA……？
あの時の女は髪が長くて
もう少し色白で……瞳に色が無くて……
「ちゃんと、生きるんやで？」
「…………え？」
俺に向けられた瞳。
Aは困った様に笑った
「ハハハ、その言葉昔言われた事あるの」
「２年前にね、
顔とか覚えてないけど……」
「でも、その人のそんな言葉で
私頑張れたんだ」
「……廉？」
「そんな大事なモンもう無くすなよ？
お婆ちゃんの分まで
ちゃんと、生きるんやで？」
そう言って俺はAの部屋を出た
俺はそのまま自分の部屋に入った。
ドアを閉めてそのままドアに寄り掛かって
ズルズルとしゃがみ込んだ。
上手く話せてただろうか……
頭を抱える手が震える
あの時の女はAやった。
名前すら知らないそんな女を
好きになって……
2年も忘れられなくて……
だから忘れようと色んな女と遊んで
その度にあの時の女を思い出して
Aやった……あの時の女は、
俺は……どうしたらええ……？
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とぅーか(プロフ) - ピナパルさん» コメントありがとうございます！面白い……嬉しいです！そのお言葉が源で更新頑張れます。主人公ちゃん色々闇をかかえてますよね……（笑）更新頑張りますので最後までお付き合い頂けると嬉しいです！ (2017年8月9日 13時) (
レス) id: 3177a5b007 (このIDを非表示/違反報告)
ピナパル(プロフ) - なんで投票が１回しかできないんでしょう？このお話面白すぎます。主人公の過去になにがあったのか、まだ明かされていない部分が気になって仕方ありません。この先も更新を楽しみにしています！！ (2017年8月9日 12時) (レス) id: 13c9717e47 (このIDを非表示/違反報告)
とぅーか(プロフ) - デモクラさん» コメントありがとうございます！他の作品も読んでいただいて嬉しいです…！私もあの作品の神宮寺くんがとても好きです（笑）自分で書いててこの神宮寺くんかっこよくね？ってなりました（笑）更新頑張りますので応援して頂けると光栄です。 (2017年8月9日 11時) (レス) id: 3177a5b007 (このIDを非表示/違反報告)
デモクラ - 突然すみません。面白すぎて、一気読みしちゃいました！とぅーかさんの他の作品も読んでみたのですが、どれも素敵で、とても感動しました！特に『大人になれない私たちは』の神宮寺くんがドタイプです。笑 これからも、更新頑張ってきださい！応援してます！(p^-^)p (2017年8月9日 2時) (携帯から) (レス) id: 635529f58e (このIDを非表示/違反報告)
とぅーか(プロフ) - バナナオレさん» コメントありがとうございます！更新頑張りますので最後までお付き合い頂けると嬉しいです。すみません……変換ミスです……すぐ直します！ご指摘ありがとうございました！ (2017年8月6日 0時) (レス) id: 3177a5b007 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とぅーか
| 作成日時：2017年8月5日 0時
