〈yoongi〉WHITE… (ページ41)

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あの展示会以来、私の元には絵の依頼もちらほらと増えてきてバイトと創作活動で徐々に忙しくなっていた。

ユンギさんとは一日に一回、もしくは数回カトクを送り合いどことなくぎこちなく甘いようなやり取りを交わす。

一般的なカップルのやりとりに比べたらずっと淡白な私達の会話だけど、比べるようなものではないのだと思う。

寂しいか、と問われると否だ。

スターダムを駆け上がり続けるユンギさんが時折私を思い返してくれているという事実が嬉しくて、他に望むことはない。

きっと今が幸せなんだろうと思った。

何故、私を選んでくれたのかは分からないままではあったけれど。

｢――もしもし？｣
｢おつかれ｣
｢……ユンギさんも｣

どこかふわふわとした口調で聞こえるユンギさんの声で、きっと酔っ払っているんだろうなあなんて思った。

忙しそうにしているけれど、時々飲みにも行くし自由な時間もあるのだと私生活を話してくれた時のことを思い出す。

私は筆を片手に一人にやにやと笑っていた。

｢絵描いてんの？｣

｢うん。友達結婚するからお祝いに｣

｢へえ……｣

タメ語で話せと言われたのは最近だ。

やけに深刻そうな口調で電話をしてきたユンギさんが五分ほど言い淀んだ後に｢敬語、やめて欲しいんだけど｣と言った時も酔っ払ってかけてきた深夜の電話越しだった。

お酒はユンギさんを素直にする。

｢俺は絵とか描けないからな……｣

｢そう？一回描いてみればいいのに｣

｢いや、センスがない。速攻ネットニュースで叩かれる｣

ちょっと苦々しく言うのでよっぽど自信がないのだろう。思わず笑みが零れる。

ユンギさんと話しながら乗せる色は鮮やかだ。

久しぶりに棚の奥から引っ張り出したアクリル水彩は透明な色合いで、幸せな二人に贈るにはピッタリの画材だと思う。

もしユンギさんに送るなら赤い色がいいなんて考えてしまうのだから、私はもう病的だ。