〈yoongi〉WHITE… (ページ30)

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展示会に出した絵は仲間たちからも来場者からも好評だった。

いつもはデジタルデザインのような絵ばかりを描いていた私の油絵に驚かれたし、抽象画であったことも私の絵を知る人達からは衝撃だったらしい。

端っこに飾られているはずのそれに人々が立ち止まる。

｢これ、俺のバーに置きたい｣
｢ごめん、もう買い手が決まってるの｣

既に三人目である交渉の会話に私は苦笑いで返した。
グッズとして作ったポストカードやしおりなんかは少しづつ完売へと向かっている。

｢いつものデザインもすごく綺麗だけど、今回のこれはなんか……パワーがある｣と言われて、私は頷いた。不可視の力が描けてたなら、それでいいと思った。

｢一応、モデルみたいな人が居て｣
｢へえ……｣

私がそう返すと、三人目の交渉者である知り合いは訝しげな視線をこちらに寄越す。

｢そういう？｣
｢そういうって？｣
｢男的な｣

冗談めかしにしては剣呑ではない雰囲気にちょっと驚く。この人は私のバイト先であるカフェにもよく来たし、展示会もクラブイベントにもよく顔を出してくれる人だと思っていたけれど……

返事に困って黙ると、彼は少しだけ不機嫌になった。どうやら"そういう"ことみたいだ。

薄々気がついてはいたけれど、いざこうした場面になると困ってしまう。

私が黙っていると、私と彼の間に今日の主催である友達が顔を出して、その場は流れた。

でも、その日の夜にあった打ち上げの帰りに私の嫌な予感は当たってしまい、彼は私が好きだとそう打ち明けた。