〈yoongi〉WHITE… (ページ27)

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それから時々ユンギさんと何気ないメッセージを送り合うようになった。

ちょっと上手くいったラテアートの写真だとか懐いてくれた近所のネコとか、そういう些細な日常のあれこれを送るとユンギさんは律儀にも必ず返事をくれた。

きっと想像しているよりも忙しい時間を過ごしているはずなのに、時間が空いても必ず返事をくれるし、時々自分の聴いてる曲なんかも教えてくれたりする。

その時だけはBTSのSUGAでも、AgustDでもなくミンユンギという個人と話しているような気分になる。

思い返してみると、私はそもそもSUGAともAgustDとも面識がないのかもしれない。

いつものようにバイトから帰り、キッチンでダラダラとインスタントコーヒーを啜っていると、作業室から出てきた兄がフラフラとこちらへ来た。

今日は作業室には兄しかいないらしい。

｢俺にもコーヒーくれー｣
｢はーい｣

マグカップにサラサラとコーヒーを入れる。

兄は薄めのコーヒーが好き。

｢お前、ユンギのコンサート行く？｣
｢え？｣
｢今度のツアーファイナル｣
｢え……貰ったの？｣
｢いや、さすがにそれはしてない。フツーに一般。奇跡的に取れた｣
｢行く｣

意外な形で、私はSUGAへと会いに行くことになった。

コンサートまでの間、私は曲を三曲仕上げた。

スランプの合間でもなんとか作り終えた曲はそこそこの出来で、納品したらみんな良かったと言ってくれたので安心する。

ただ、展示会の絵だけはまだ白紙のままだった。

青という単純なテーマ。

ユンギさんは私の見ている世界……と言っていたけれど、どうもピンと来ない。

空、海、蝶、瞳、水、星、光。

どのイメージとも繋がらなくて悩む。

もうすぐユンギさんはツアーを終える。

展示会も来週へと迫っていた。