〈yoongi〉WHITE… (ページ14)

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ヘッドホンをしてしばらく作業机の前で惚けていると、少し酔っ払った様子の兄が部屋の扉をノックした。

｢ユンギ潰れちまったから送りたいんだけど、お前運転できるか？｣
｢えー！無理！私ペーパーだもん……｣

お兄ちゃんだけならまだしも、BTSのユンギさんを私の運転する車に乗せる訳にはいかない。

｢タクシー呼ぼう？｣
｢俺今現金ない｣
｢カードは？｣
｢先週財布落としたから再発行中｣
｢もー…… 着替えてくるから待ってて｣

兄を部屋から追い出しパジャマからテキトーなトップスとボトムスを取る。

一応芸能人の宿舎に行くのでマスクと帽子も。

そうして数分で身支度を整えると、すっかり眠っているユンギさんを抱えた兄が玄関で靴を相手に四苦八苦していた。

｢ユンギの靴履かせてくれ｣
｢もう……ちゃんと支えててね｣

ゴツゴツとしたレザーの靴にユンギさんの足を何とか収めていると、玄関先にタクシーのヘッドライトがチラリと光った。

｢タクシーきた｣
｢いくか｣

ひょいっと兄がユンギさんを抱える。

見た目からひょろっとしているユンギさんはどれだけ軽いのだろうか、なんて考えてしまった私は最近少し太ってきた自分のお腹をちらりと見た。