〈yoongi〉WHITE… (ページ11)

今日:8 hit、昨日:30 hit、合計:107,680 hit

11. ページ11

.

そう思い返して私が口を噤むと、そんな私の当惑を悟ったのかユンギさんはぽつりと｢でも、時々宿舎で作ることはある……メンバーと｣と続けた。

｢全員分？｣
｢その時居るメンバー分｣
｢食堂みたいな量になりそう｣

思わずそう呟くとユンギさんはククッと笑った。

きっと肯定なのだろう。

七人の同世代の男の人達の生活の一部が何となくわかった気がした。

私が二つ目のトマトに手を伸ばしたタイミングで、玄関のドアが開かれる音がした。

｢おーユンギ待たせて悪いな……って、なんか美味そうなもん食ってるじゃん｣
｢お疲れ様です｣
｢お兄ちゃん遅くない？｣

お兄ちゃんはテーブルで夕食を囲む私とユンギさんを交互に見て、ユンギさんの隣に座る。

そして瓶が沢山入っているスーパーの袋を床に置くなり｢俺の分は？｣と聞くので、私は顔を顰める。

｢外で食べてくると思って作ってないよ｣
｢マジか｣
｢私の食べたやつ半分でいいなら食べていいよ｣
｢いいの？｣
｢私は結構おなかいっぱい｣

調子に乗って量を多く作ってしまった事を少し後悔していたのは事実だ。

男の人であるユンギさんと同じくらいの量を盛り付けていたし。

｢これからお酒飲むの？｣
｢おー｣

ずいっと私の食べていた皿を引き寄せてお兄ちゃんはフォークを持ち上げながら返してくる。

ユンギさんはそんな私たちの顔を交互に見ては時々パスタを口にしていた。

｢飲ませすぎないでね｣

私は肩を竦めて立ち上がる。

｢あ、お皿は私が洗いますから、置いといてくださいね｣

そしてそうユンギさんに向けて言うと、作業を残す自室へと足を向けた。