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「VIP待遇とか俺もお願いしたいわ。」
目尻を下げて笑いながら樹くんが言う。
おもてなしなんか要らないから傍にいたい。
そんなことが浮かんで慌てて掻き消す。
「Aちゃんって大我と仲良いよね。」
どきりと心臓がはねた。
「よく来るからかな？
歳も近いし話しやすいんだよね。」
「ふーん。」
何か言いたげな表情。
「まあ、ほどほどにね。」
そう言う樹くんは深く煙を味わう。
私が口を開こうとしたときにはもう既に目線は入り口に移っていて
ーーカラン
音につられて開いた扉の方に目を向ける。
「あ、やっぱりいた。」
「岩本さん。」
「ここに来れば会えるかと思って。」
にこっと笑うのは、こないだの彼。
久しぶり、と返すと
「今日は１人じゃないんだ？」
そう言って樹くんをちらっと見た。
「俺、そろそろ帰るんで。」
樹くんは席を立つと私を椅子ごと自分の方に向ける。
「じゃあAちゃん。今度は俺ともゆっくり遊んでね。」
すっと指で掬って、私の髪にそっと口付けた。
目線は交わったまま。
熱を持った瞳に射抜かれて、少し体温が上がる。
これで何人落としてきたんだろ。
「またね。」
耳に吐息を感じて顔を向けた頃には、
もうさっと会計を済ましたところで
ふわっと感じた樹くんの甘ったるい香水がすり抜けていく。
残されたのは私と、そのやり取りをじっと静観していた岩本さん。
「俺、煽られたんじゃない？」
そう言って静かに笑っている。
思わず苦笑いで返すと、
「隣いい？」
樹くんがいた反対側の隣に座った。
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紗良 - 初めまして！とても面白く読ませていただきました。更新楽しみにしています！ (2020年5月13日 15時) (
レス) id: c5eb22dd02 (このIDを非表示/違反報告)
西彩 モナ(プロフ) - はじめまして！この小説が本当に大好きで続きがすごく気になります！是非更新してくれると嬉しいです！ずっと応援してます！ (2020年4月8日 14時) (レス) id: d3a5b27ad6 (このIDを非表示/違反報告)
micco(プロフ) - そらちびさん» そらちび様、初めまして。読んでいただきありがとうございます！こういう設定あまりないかなと思いイメージなど心配しておりましたが、心強いお言葉ありがとうございます。引き続きどうぞよろしくお願いします。 (2020年2月25日 12時) (レス) id: 7f750b0a81 (このIDを非表示/違反報告)
そらちび(プロフ) - micco様、はじめまして。小説読ませていただきました！もう、ドキドキ止まりません……！京本くん大好きなのでほろ苦さと色っぽい展開とても先が気になります！凄く魅力的な小説に出会えて嬉しいです。応援してます！ (2020年2月24日 5時) (レス) id: c6d2fc32db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：micco | 作成日時：2020年2月21日 1時
