51.どうなっても知らないよ ページ2
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ムカムカとした気分は待ち合わせ場所についても変わらなかった。
オシャレなカフェに行ってランチをして、コーヒースタンドに寄ってカフェオレを飲んで、ウィンドウショッピングをしていても、それは変わらないまま。
相手も私の様子がおかしいことに気がついたのか、気を遣わせている気配を感じたのが夕方になってから。
日も暮れて、これから夕飯どうしようか……なんて話していると、どこかぎこちない笑顔でこう言われた。
｢カラオケ行く？｣
｢行く！｣
ストレスも溜まっていたし、ちょうどいいなあなんて考えて、近場のカラオケへ向かった。
途中、ぎゅっと手を繋がれたので驚く。力強い、汗ばんだ手。なんだかデートっぽい。
でも、不思議とドキドキしていない自分にも気がついて、私はふとナムジュンさんの言葉を思い出した。
――本気で想えば想うほど、怖くなってドツボにハマっていくから上手くいかないし
今の私はなんにも怖くない。多分、それはきっとこの人をなんとも想っていないからだ。
今日はその事を確かめに来た筈なのに、一日中考えていたのはジョングクのことで。
ずっと頭にこびりついて離れない、ジョングクの不機嫌そうな顔に心が漣を立てる。
ジョングクは私のことを信用していないんだ……と思うと、私は苛立つような悲しいような、でも自分の行動を省みて自業自得という言葉も思い浮かぶ。
｢――具合悪い？｣
｢えっ？｣
通された部屋は二人用の狭い空間で、自然と近くなる距離に悪い意味で心がざわめいた。
このカラオケが終わったら、自然な流れでバイバイして、もう連絡するのをやめよう。しっかりお断りして、謝ろう。
そんなことを思っていた矢先、ふと手を握られてはっとする。
すぐ近くに顔があって、私は思わず逸らした。
｢もう、いいよね｣
｢な、なにが？｣
｢四回目のデートだし、ね？｣
――あ、やばい。
そう思った時にはぐいっと身体を引き寄せられて、するりと服の中に手が入り込んでくる。
いい、なんて一言も言っていないのに、私の身体を這う手は性急だった。
｢いや、ちょっと、やめて！｣
汗ばんだ手が腰の皮膚を滑るので、背筋がゾッとした。すぐ近くにある顔はギラギラとした怪しい光を湛えている。
狭い部屋、這い回る手、鼻息の荒い男。嫌な予感と悪寒が私の頭の中を忙しなく駆ける。
どうなっても知らないよ……というジョングクの声がリフレインして、私は恐ろしさに涙腺が緩むのを感じた。
このことだったんだ。
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おけ(プロフ) - ここまで1日で読みました‼︎このお話大好きです！応援してます！ (2022年2月8日 23時) (
レス) @page40 id: a8986157d1 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - はるさん» ありがとうございます〜！デビュー当時辺りを想像して書いてました 楽しんでもらえて良かったです！また気が向いたら続きも書くので、よろしくお願いします^^* (2020年2月7日 9時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
はる - ひゃ〜〜この作品は大好きで何度も読み直しているので、新しいお話嬉しかったです！なんとも守ってあげたくなるまだまだあやふやなグク、、主人公ちゃんと出会って、お互いを好きになれて本当に良かったなと思いました！これからも応援しております！ (2020年1月29日 2時) (レス) id: 75eff8e160 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - じみちむさん» ありがとうございます´`* ちょいちょい書き足していきますので、また読んでください〜！ (2019年8月29日 22時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
じみちむ(プロフ) - 番外編も最高でした♪( ´▽｀) (2019年8月26日 17時) (レス) id: f91208f58d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2019年6月9日 16時
