☆74 ページ34
「………信じる？」
首を傾げ、不思議そうにじっと俺を見つめる潤んだ瞳がほんまに綺麗で
この子は一人で何を抱えてきたんやろうか、
俺はなぜあの時、側にいることが出来ひんかったのか
遅すぎる後悔が今になって襲ってきて
この子を守るって高校生のときに決めたはずやのに
手離し、悲しませ、気が付けば5年
こうして再び出会えたって事は、今度はちゃんと守りなさいっていう
神様からのプレゼントやろうな、きっと
.
「……俺は、Aの全部を受け入れたい」
「過去も、今も、これからの事も」
「……5年前の俺はほんまに情けなくて、Aの事大切やのに、大事にしたいのに…」
「……Aは俺の事どんな風に思ってるんやろうかとか、余計なことばっか考えて、自分の想い伝えれてへんかったと思う」
「………Aのばあちゃん居なくなって、俺が支えなあかんかったのに、ほんま情けない…」
「……でも！！俺も大人になった」
「……Aともう一度会うために東京行って、出会えて…もう手離したくない」
.
.
「……Aの事、全部全部！守らせてください」
「……俺は、…俺がAを幸せにしたい」
.
Aの潤んでいた目から大きな雫が落ちる
その瞳に映る俺の目からも無造作に流れ落ちる雫
空白になってしまった5年分の後悔と、これからの希望
光が差し込む涙になれば良いなと
子供みたいにボロボロと泣くAに目線を合わせるため、
目の前でしゃがんで顔を覗き込む
「……話してくれへん？この5年間何があったんか、それと…」
「……5年前、俺の前からおらんくなった理由」
止まらない涙を必死にこらえながら、笑って
なるべく笑顔で、優しく
「………何があっても引かへん、全部受け入れる」
真っ赤な顔で見つめるAは今にも消えてしまいそうに儚くて
「…………っ、本当に？」
「……おん、絶対 約束する」
消えてしまいそうなAを消えてしまわないように、
俺自身の腕でぎゅっと抱き締める
大丈夫だよというように、とんとんと軽く叩いてやれば
ゆっくり開くAの口
.
それはそれは、この小さな身体一つで抱えてきたとは思えないほどの
壮絶な過去と現実
当時の俺では到底受け入れることが出来なかった苦しい事実を
大人になった俺はゆっくり慎重に受け入れる
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ピンクパンダ(プロフ) - 離れていた歯車が噛み合い、同じ時を刻み始めたのですね。感動です！ (2018年10月1日 18時) (
レス) id: 593cbf6192 (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - 更新ありがとうございます！！またまた泣きました。少しのシーンでも泣けてしまいます。次回の更新も楽しみに待ってます (2018年9月16日 1時) (レス) id: ced1938cfe (このIDを非表示/違反報告)
ピンクパンダ(プロフ) - またまたお久しぶりです！話が展開しましたね。いつでも待っていますので、できれば話の内容を忘れてしまわないペースで更新待ってます！ (2018年9月12日 22時) (レス) id: 593cbf6192 (このIDを非表示/違反報告)
RISA(プロフ) - ピンクパンダさん» ピンクパンダさん！お久しぶりです！お待たせしました（ ; ; ）待っていてくださっていたなんて本当に光栄です（ ; ; ）お時間ある時で大丈夫ですので、どうか見守ってやっていて下さい（ ; ; ）いつもピンクパンダさんから頂くコメントで元気付けられてます（ ; ; ） (2018年7月29日 0時) (レス) id: a29f4741bb (このIDを非表示/違反報告)
RISA(プロフ) - きょっきょさん» コメントありがとうございます（ ; ; ）1番だなんて…おこがましいです…ありがとうございます（ ; ; ）ゆっくりですが完結に向けしっかり更新していきますので、お時間ある時見ていってください！リクエスト等あればお待ちしております！ (2018年7月29日 0時) (レス) id: a29f4741bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RISA | 作成日時：2018年4月4日 15時
