乗り越しラブストーリー ２ 【赤】

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「あの……重岡大毅、の病室って…」


「面会ですか？…えっと重岡さんは……、小児科方面に行って……その手前のエレベーターで7階に上がってもらえればすぐですよ！」


「…ありがとうございますっ」





さっき来た時は適当に病院に入ってうろちょろしてるところを、またまた部屋から出て来た流星くんに拾ってもらったものだから、


いざ改めて病院に来ると、大毅くんの部屋がどこにあるかさっぱり





……小児科、……小児科……っと





.





『っ……わーーーっん……いたいのやぁだあっ！』


『もう…花ちゃんっ、大丈夫だから！ね？痛くないよ？』





『オギャーーーーーッ、……ワーーーン』


『よしよしっ………いい子いい子っ、』






.





もちろん足は小児科に向かっているため、少しずつ小さな子とそのお母さんにすれ違う





…ほら、あんなまだまだ生まれたばかりの赤ちゃんも泣いてる





…赤ちゃん






.





.






あれ、






.






私って幸せになって良かったんだっけ





.





.






あの日の出来事がまるで脳のアルバムにしっかり保存されてたかのように鮮明に蘇る





.





" お願いっ、辞めてっ…… "





.





" ……先生、私………この子おろします、 "





.






" ……っ、おばあちゃんッ！！！！！！！！ "





.





.





この悪夢のような出来事に、大毅くんの姿は一度も存在しない


…大毅くんを悲しませちゃいけない


こう思っているのは単なる上辺


本当は、





大毅くんに嫌われるのが怖いから、大毅くんに汚れた奴だと思われたくないから





その一心で私はあの日、大毅くんの前から姿を消した


汚れた女だと、醜い女だと思われるくらいなら、綺麗なまま貴方の前から姿を消したかった





.





…… 重岡大毅、





実際に病室の前まで来ると手が震えて扉を引く事さえもままならない





……… ガラガラッ





.





扉を引けば、大きなカーテンで仕切られていて、その後ろにベッドの影が見える





……大毅くん、





.





.





「………………A？」





.





カーテン越しに聞こえる弱々しい大毅くんの声





.





「アホやんなぁ、俺 酒で倒れるなんてさっ…Aが望と付き合うてるとか幸せそうな顔で言うもんやからッ ……」





.





「……大毅くんっ、あのね」





.





決心着いた





…大毅くん、私は大毅くんが大好きです





………勿論今も

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