偽愛 . Kazuma k

４ ページ5

北｢あーーーーーーー…呑んだ。｣

壱｢だな…｣

北｢ちょっと、俺先輩んとこ行ってくる｣

壱｢おう、いってら｣




すっかり男子トークを楽しんでいた俺ら
気づけばもう3時を過ぎていて
仕事の疲れもあってか顔も熱く
久しぶりにちゃんと酔ってしまっている。


壱｢トイレ行こっと……｣



ふらつく足取りで
用を済ませようとトイレに向かった時、
女子トイレから出てきた女の人。
避けようと思った時だった


ガタンッ


壱｢ちょっ…大丈夫ですか｣



倒れそうになったその人。
咄嗟に支えたが俺も酔っぱらいの身
一緒に倒れそうになり抱きしめる形で支えた


｢あぁ、ごめんなさい……
飲みすぎてしまったみたいで｣


フフ、っと少し楽しそうに笑って
顔を上げたその人と目が合い
つい固まってしまった。


暗くてよく見えないが少し赤が入っているような
ふわふわのロングの髪の毛
ぷっくりした紅い唇
大きな二重の吸い込まれそうな瞳
お酒が入っているせいか少し潤んでいて




とても可愛くて、なのに綺麗な人だなと思った。




ハッと目が合いっぱなしだったことに
気づき顔を逸らした



壱｢すみません、転ばなくてよかったです｣




そう言って女の人から手を離そうとすると
次は女の人から俺の顔を掴んで
ぐるっと自分の方を向かせる


｢お兄さん、綺麗な顔してるね。
ちょっと見とれちゃった(笑)｣



なんて悪戯に笑った。

５→←３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す