39 ページ39
.
.
「まぁ、危ないことしてないなら俺は何も言わないよ」
『…大丈夫だよ。つらいとき、支えてくれる友人たちが近くに住んでるの。そこからコンビニに行こうとしてただけだから』
「…Aが最近明るかったのって、その人たちがいたから?」
『そうかもね。その人たちのおかげ。』
「そっか、」
そう言ったきり、黙ってしまったバニラの右手は未だわたしの手を掴んだまま。
俯いてしまった彼の表情はよく見えず、しばらくの沈黙が私たちを取り巻いた。
「なんか、悔しいな」
『?』
「俺がAと一番近いと思ってたからさ、」
『ばには同僚で、戦友?みたいな、上手く言えないけど…でも、ばにがいなかったらわたし、きっと今頃今の会社に居なかったと思うから…ばにだって忙しいのに、気にかけてくれてありがとね』
「…同僚だから、ってだけじゃないけどね」
『それって、どういう…』
「ふふ。まぁ、また会社でね。」
『…ん、じゃあね』
わたしの頭を相談ぽん、と撫でたバニラはそのままわたしに背を向けて歩き始めた。予想だにしない出来事に高鳴る心臓を落ち着かせるように、再びコンビニへと歩みを進めた。
.
.
650人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yura(プロフ) - くくくさん» 最後までお読み頂きありがとうございました…!別作品も楽しんで頂けましたら幸いです! (3月4日 21時) (レス) id: 5f689998c0 (このIDを非表示/違反報告)
くくく - 泣いちゃいました…次回作楽しみにしてます (2月29日 15時) (レス) id: 9c08b4fe18 (このIDを非表示/違反報告)
yura(プロフ) - をわさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました!次回作もよろしくお願いいたします…! (10月6日 14時) (レス) id: 5f689998c0 (このIDを非表示/違反報告)
をわ(プロフ) - お疲れ様でした!!リアルタイムでこの作品を追いかけることができて幸せでした!次作も楽しみにしております…!! (10月5日 1時) (レス) @page50 id: ab4027dd5b (このIDを非表示/違反報告)
yura(プロフ) - をわさん» そう言っていただけて嬉しいです…!完結までお付き合い頂けると嬉しいです◎ (8月23日 22時) (レス) id: 5f689998c0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:yura | 作成日時:2023年6月4日 13時