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そう言って案内された本殿の中は、思っていたよりもずっと広かった。
彼の後ろをついて行くように長い廊下を歩いていると、ひとつの部屋の前で立ち止まる。


「ありさかぁ、なるせぇ、お客さん〜」



開かれた襖の中には、橙色の着物を着た茶髪の男性と、布団に横たわる桃色の髪の女性がいた。
こちらを振り返った茶髪の彼の視線は、わたしと隣に立つ銀髪の男性を行ったり来たり。


「…どちらさんですか?」

『えっと…参拝に来ました…?』

「参拝…?こんなボロい神社に…?」

「まぁまぁそんな細かいことはどうでもええやんありちゃん!なるせ〜体調どうや〜?」

「…今お前の大声で頭痛くなった」

「冗談言えるくらいには回復しとるみたいやな」


私そっちのけで続く会話にどこか居心地悪くなり、意味もなく手に持ったビニール袋の持ち手をもてあそぶ。しばらくすると布団に横たわっていた彼女が布団から起き上がり、のそのそとわたしに近づいてくる。


「ねぇ」

『は、はい…?』

「それ、なに?」


それ、と指さされたのは持ち手がくしゃくしゃになったビニール袋。中身が見えるように袋を広げると、彼女の表情がぱっと明るくなった。


「え、プリンじゃ〜ん!」

『プリンご存知なんですか…?てか、男…?』

「プリンくらい知ってる。あと男。」


『そう、だったんですか…すみません、失礼なこと言いました』

「ん〜?別に。俺可愛いから仕方ない」


軽快に続く会話中も、彼の視線は袋の中のプリンから離れない。まるで子供がおねだりするような表情に小さく笑って、プリンとスプーンを手渡した。



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yura(プロフ) - くくくさん» 最後までお読み頂きありがとうございました…!別作品も楽しんで頂けましたら幸いです! (3月4日 21時) (レス) id: 5f689998c0 (このIDを非表示/違反報告)
くくく - 泣いちゃいました…次回作楽しみにしてます (2月29日 15時) (レス) id: 9c08b4fe18 (このIDを非表示/違反報告)
yura(プロフ) - をわさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました!次回作もよろしくお願いいたします…! (10月6日 14時) (レス) id: 5f689998c0 (このIDを非表示/違反報告)
をわ(プロフ) - お疲れ様でした!!リアルタイムでこの作品を追いかけることができて幸せでした!次作も楽しみにしております…!! (10月5日 1時) (レス) @page50 id: ab4027dd5b (このIDを非表示/違反報告)
yura(プロフ) - をわさん» そう言っていただけて嬉しいです…!完結までお付き合い頂けると嬉しいです◎ (8月23日 22時) (レス) id: 5f689998c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yura | 作成日時:2023年6月4日 13時

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