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『んふふ、そっかぁ……そんなに喜んでくれるなら毎週末遊びに来ようかな』
「それは嬉しいけどAさんも毎週末ここ来るの疲れるやろ?友達付き合いとかもあるやろうしあんま無理せんで?」
『そんなことないよ、家からも近いし…それに社会人になってからこっちに引っ越してきて、休日一緒に遊ぶような友達も近くに住んでないから…迷惑じゃないならみんなともっと一緒にいたいな、』
今まで楽しそうに話していた3人の会話がぴたっととまる。不思議に思って彼らの方を見ると、なにやら肩を寄せあってひそひそと話していた。
「なぁもうよくない?いいやろ?」
「賛成、こんなこと言っちゃう子、外に出してたら危ない。」
「いやでもさすがにそれは…本人はそんなつもりで言うてないやろし…」
「はぁ!?お前常識人ぶんな!」
『…ねぇ、何の話?』
「……Aさん、」
『ん?』
「あんまり、その…カミサマの前で一緒に居たいとか言うたらあかん。そういうつもりで言ってないのはわかるけど隠されても文句言えんで?」
さっと背筋が寒くなった。
仲のいい友人ではあるが、彼らはカミサマなのだ。
どうしたものかと思案していると、だるまさんが口を開く。
「まぁ俺らとしても本意じゃないニンゲンを隠すのは嫌やし、そんなことせぇへんけど…悪いヤツやったら食われるで?」
『…ごめん、これから気をつける。
こっちに引っ越してきて、やっと出来た友達だから嬉しくてつい…』
「まぁその気持ちはわかる。俺らも、俺ら以外でこうやって喋れる相手が出来て嬉しいのは一緒。怖がらせてごめんな、」
だるまさんは雑な手つきで私の頭を撫でた。
クシャクシャになってしまった髪を手ぐしでほどいてくれるなるせさんも、わたしの肩をとんとんと優しく撫でてくれるありさかさんも、ヒトの形をしていて体温だってある。
きっとその気になれば、わたしを無理矢理隠すことだって出来るのかもしれない。それでもわたしがそれを望まないなら、としっかり忠告をしてくれる彼らはきっと優しいカミサマなのだ。
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yura(プロフ) - くくくさん» 最後までお読み頂きありがとうございました…!別作品も楽しんで頂けましたら幸いです! (3月4日 21時) (レス) id: 5f689998c0 (このIDを非表示/違反報告)
くくく - 泣いちゃいました…次回作楽しみにしてます (2月29日 15時) (レス) id: 9c08b4fe18 (このIDを非表示/違反報告)
yura(プロフ) - をわさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました!次回作もよろしくお願いいたします…! (10月6日 14時) (レス) id: 5f689998c0 (このIDを非表示/違反報告)
をわ(プロフ) - お疲れ様でした!!リアルタイムでこの作品を追いかけることができて幸せでした!次作も楽しみにしております…!! (10月5日 1時) (レス) @page50 id: ab4027dd5b (このIDを非表示/違反報告)
yura(プロフ) - をわさん» そう言っていただけて嬉しいです…!完結までお付き合い頂けると嬉しいです◎ (8月23日 22時) (レス) id: 5f689998c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yura | 作成日時:2023年6月4日 13時