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冷たい風が身体を揺する。
あと数センチ。あと数センチで、私の身体が宙に舞う。
きっと一瞬なんだろうな、この高さから落ちたら。
地面が身体とくっ付いた瞬間、私はこの世から消えるんだ。
もう悲しまなくて済むなら。
もう辛い思いをしなくて良いのなら。
終わりにしたい、この人生を。
だってどうせ私1人居なくなった所で
世界は何も変わらない。
いつも通り日は登り、
いつも通り日は沈む。
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もし生まれ変わる事が出来たなら
次こそ誰かに、愛されたい。
ううん、愛されなくてもいいから
必要とされたいな。
さようなら私。
自分で決めたことなのに、足がすくむなんて馬鹿みたい。
目を瞑ろう。後ろを向こう。
ギュッと瞑った目から何かが流れた。
大きく息を吸い込んで
背中を宙に預けた。
ねぇ誰か…この手を掴んでよ。
馬鹿みたい。最後の最後まで、誰かに縋り付きたい本当は生きたがりの私。
.
.
「っ！間に合った…！」
ねぇなんで…？
「ダメだよ、こんなことちゃ。」
堕ちるはずだった身体はどこの誰とも知れない体温によって包まれた。
神様は私に、命を絶つことすらも
許してはくれないらしい。
本当に意地悪だ。
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作者名：ねお。 | 作成日時：2018年3月5日 14時
