HAPPY ENDING 8 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:38,937 hit

3 ページ3

.

『雨降りそう、急ごう』

どんよりとした空に足を速める

ちょうど事務所に着く直前に
大降りの雨が落ちてきた

『うわ…ギリギリだったね』

練習室にたどり着いて
タオルで頭を拭くA

HS「ギリギリ、間に合わなかったなw」

『うんw』

びしょ濡れになったお互いを笑って

濡れた服を着替えた俺たちは練習を始めた

.

『ここがうまくいかないんだけど』

HS「踊ってみようか？」

『うん、お願い』

真剣な目で俺の踊りを見つめるA

ダンスだって
めっきり初心者だったAが

メインを張って踊れるようになったのも
こういう数え切れない努力があったからだろう

『もう1回踊って、動画撮っていい？』

撮った動画を見ながら
振りを確認するA

『うわ、ホシのここの角度かっこいいな…』

出会った頃から何度もこの言葉に力をもらった

『俺いつも言ってるけど』

HS「うん」

『もしSEVENTEENになってなかったとしても
絶対ホシのファンだったと思う』

HS「ほんとにいつも言ってるじゃんw」

『うん、だって
踊ってるホシは世界一かっこいいよ』

Aと練習すると
何倍も頑張れてしまう理由はこれだ

身内からの褒め言葉が一番嬉しい

HS「もっと褒めてくれてもいいぞ」

『ハイハイ、天才天才』

HS「雑…」

この嬉しい言葉一つ一つが
Aの本心だと分かるから

ここまで頑張ってこれたし
もっと頑張ろうと思えるのだ

『ここの振り考えたのホシ？天才』

HS「…そこは先生」

『www残念』

一緒に練習するのが
こんなに楽しいのはAだからだろう

.

『最初からするから見てて』

HS「わかった」

その後Aが何度か踊るのを撮影して

床に座り込んで2人でその動画を確認する

『なるほど、ここでこのタイミングね』

真剣な顔で自分の踊りをチェックするA

この姿が俺は好きだと思う

どこでも無防備に寝れるA

食い意地が張っていて
なんでも幸せそうに食べるA

誰よりもひたむきに練習するA

基本ぼーっとしていて
何を考えてるか分からないけど

話をすると気が合ってノリのいいA

色んな魅力があるけれど

真剣にモニターをチェックしている顔が
俺は一番好きだったりする

『みんなで合わせるまでに調整しないと』

そんなことを考えながら見とれていたら

Aが携帯から顔を上げて
こっちを向いた

.