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「風邪ひかないようにね」
この後に及んで私の心配をしてくれる北斗さん。
髪は濡れたままだし、
北斗さんのほうが風邪ひいちゃいそう。
ありがとうございました、と返して
車から小走りで入り口までたどり着くと
マンションに入るまで発車せずに待っててくれたみたい。
振り向くと手を振るのが見えたから、小さく振り返す。
エレベーターに乗ったのを確認して、車は行ってしまった。
とりあえず早足で玄関に入って、
鍵を閉めた瞬間に、靴も脱がずにその場に座り込む。
何から整理したらいいのか分からない。
今日は感情が忙しすぎた。
北斗さんはちゃんとお風呂に入るだろうか。
さっきの髪を拭く姿を思い出して、
思わず顔に熱が集まるのが分かる。
冷えた体よりも熱く脈打つ心臓の方が重症。
体を引きずってよろよろと浴室に向かった。
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作者名：micco | 作成日時：2020年2月1日 0時
