stand by me. (ページ12)

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ある日、勤務が終わって帰ろうとした日

「花ちゃん、ちょっといい？」

ちょっと相談があるんだけど、

とこちらを伺う申し訳なさそうな北斗さん。

「花ちゃんって他に仕事とか用事、してたりする？」

「いえ、特には・・・」

「来月からシフトを後ろにずらしちゃダメかな？」

フリーターで一人暮らし。断る理由なんかない。

話を聞いてみると、

マスターの体調があまり良くないんだとか。

確かに忙しい日が続いていて、

ここ最近のマスターはお疲れモード。

この歳になると何日経っても疲れが取れんって嘆いてる。

豆の焙煎で毎日早朝から働いてるマスター、

そんなマスターにはお昼が落ち着いたら帰ってもらって、

北斗さんと私で店を閉めるっていう試みらしい。

「マスターのためなら喜んで！」

深く考えずそう返したけど

「じゃあ来月からよろしくね。閉店は１９時。

そこからは簡単な片付けと洗い物お願いしていい？

それが終わったら帰っていいよ。」

「俺と同じシフトね。」

にこっと笑ったその声にはっとした。

最後の一言で私の頭はいっぱい。

心臓もつのかな。

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