【04】 ページ7
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『店長すみません!ちょっと体調不良なので早退してもいいですか?』
店長「ん?あぁ、確かに顔色が悪いな。いいぞ。気をつけて帰れよ」
『ありがとうございます!』
キッチンの奥にいる店長にそう声をかけて私は荷物をまとめて直ぐにバイト先の喫茶店を飛び出した。
ハァハァハァ……
さっきの場所から逃げるように私は全速力で走った。
街中は人で溢れており走る足取りがスピードを緩める。
私は人が少ない方へ向かって歩いた。
気がつくと近所の川辺についていた。
『ハァハァ……スゥ……ハァ…ふぅ…』
大きく深呼吸をして草むらに座る。
目の前では子供たちがサッカーボールを蹴って遊んでいる。キャッキャと楽しそうな声が耳に響き渡る。
『……しまったなあ。』
私はキラキラ流れる川を見ながらそう呟いた。
さっきバイト先にきた高校生ぐらいの学生3人…。
私は呪霊が誰かに付いてるのをみつけたら、その人に近づきさりげなくゴミを取る振りをして追い払う事をしてきた。
呪霊なんてついててもいい事ないし、何よりつかれた人が辛くなるから。
でも正直にそれを言うと“変わった人”と周りからレッテルをはられて1人になってしまう。
小学生の時に嫌という程経験した。
なので一般人と同じく“見えない人”として生活しさりげなく呪霊を追い払う。
なので先程もいつもの癖で少年の肩についていた呪霊をゴミを取るふりをして追い払おうとした。
でも少年は
「あぁ!大丈夫です!後で祓っとくんで」
そう言った。
ゴミを取る事を断るなら“取っとく”等言うところを
少年は
“祓っとく”と確かにそういった。
一瞬同様したが何とか冷静を保ち急いでバイト先の喫茶店から距離を取った。
あの少年の言い方からするにきっと……
『呪術師……か…』
あのテーブルにいた学生3人とも恐らく呪術師なのだろう。
一体ここに何をしに……?
呪霊を祓いにきたのか、遊びで来たのか、
それとも、私を捕まえに……?
『いやいや、もう8年も前だし、今更……それに誰が探すんだって』
私は自分に自分でそうツッコミをいれた。
五条の家を勘当され1人で生きてきた。
誰も私を探すわけが無い。
『あ〜あ…バイトサボっちゃった……。明日店長に謝らなきゃな…』
私は草むらに寝転がり今度は空をみた。
『私は……平凡に暮らしたい…だけな…の…に…スゥ』
私の意識は綺麗な青空に吸い込まれるように途切れた。
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舞(プロフ) - amroさん» 今から見ます〜! (8月29日 22時) (レス) id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
amro(プロフ) - あまねさん» あまねさん、コメントありがとうございます!何も聞かずに主さんを見守ってくれていた大家さん…実は…。是非今後の更新もお待ちいただけますと幸いですっ! (8月29日 22時) (レス) id: 18748080be (このIDを非表示/違反報告)
amro(プロフ) - 舞さん» 舞さん、コメントありがとうございました。遅くなりましたが更新しておりますっ、お暇な時にでも読み返して頂けたら嬉しいですっ (8月29日 21時) (レス) @page27 id: 18748080be (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 夢主のピンチの時に大家さん再登場するとか熱すぎる妄想してしまった (8月29日 21時) (レス) @page26 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - amroさん» 久しぶりの更新ありがとうございます! (7月8日 0時) (レス) @page24 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:amroxxx | 作成日時:2020年12月30日 14時