White Dream Story -2-

お勉強しようね？（阿部/あなた）✳︎シチュエーション作品✳︎ ページ48

《Aside》


亮「こーら、顔上げなさい？」


私は今、大好きな彼氏の前で、正座中。
何でって？




ある日のデート中ー


亮「そういや、もうすぐ中間テストだよね？」

A「えっ⁈何で知ってんの⁈」

亮「俺の母校だよ？
　 ある程度の年間予定くらいは覚えてるよ？」


いくら頭が良くたって、普通は覚えてないと思う‥‥


大学生の彼氏、実はうちの高校の卒業生。
勉強が趣味みたいな人で、勉強大っ嫌いな私とは正反対。


亮「で、ちゃんとやってるよね？」

A「へっ？」

亮「テスト勉強。
　 1学期は散々だったでしょ？」


うぅ‥‥痛いとこ突いてくる‥‥
確かに褒められた結果ではなかった。


A「やってるよー？」


嘘。ほんとは全然やってない。
そんな時間があるなら、ぜーんぶ亮平くんに使いたい！


亮「そう？ならいいんだけど。
　 またあんな結果だったら知らないよぉ？」


コツンッ


とびきりの笑顔で軽くデコピン。
この笑顔のせいで(？)このとき何を言わられてたのか、正直頭に入ってなかった。


案の定、その後も勉強することもなく、結果は惨敗。
正に赤点のオンパレード。
全教科補習と追試を受けることになる。


A「うわぁ‥‥最悪だぁ‥‥」


悪いとは思ってたけど、まさかここまでとは‥‥
こんなの誰にも見せらんないよぉ‥‥
私は鞄の奥底に、答案用紙を突っ込んだ。


でもね？私っておめでたい頭なのか、数時間もすると赤点のことすっかり忘れてたんだ。
彼氏がお家に遊びに来る日まで‥‥


亮「そういえば、テスト返ってきてるよね？
　 今回はどうだったの？」


ギクッ
しまった、すっかり忘れてたっ！


A「あー、まぁまぁかな？」


じっと私を見つめる亮平くん。
恥ずかしくなっちゃって、思わず逸らしちゃった。


亮「答案用紙、見せて？」

A「えっ⁈あ、えーっと、どこやったかなぁ‥‥」


なんて言いながら誤魔化す私。
でも、こんな姑息な手が通用する相手じゃない。


亮「ちょっと鞄開けるねー。」


うぎゃーっ！
なんでピンポイントで当てちゃうかなぁ⁈


私の努力も虚しく、発掘されてしまった答案用紙たち。
それを見て固まる亮平くん。
こんな彼、初めて見たかも。


亮「まさかここまでとは‥‥」

A「へっ？」


私にも聞き取れない音量で何かを喋り出す亮平くん。
いや、でも、これだと‥‥と独り言を呟くこと数分‥‥


亮「よしっ、決めた。
　 A、ここに正座しなさい。」

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