White Dream Story -2-

・ ページ42

《深澤side》


いつもと何も変わらない。
だけど絶対にいつもと違う。


照の様子だ。
メンバーの前や仕事中はリーダーとして引っ張ってくれている照。
それは変わらないんだけど、どこかうわの空というか、心ここに在らずというか‥‥


今日の打ち合わせ中もそうだ。
仕事が嫌とか、面倒くさいとか、そういうのじゃないのは分かるんだけど、たまにぼーっと違うことに囚われているのを感じる。
何か悩んでるのかな？


みんなの前じゃ言えないことも、俺だけのときは話してくれたりするから、今回もそれかな？
と思い、飯に誘ってみる。
しかし、


照「悪い、今日はやめとく。」


と、断られてしまった。
それは全然いいんだけど、無理してない？
俺はそれが心配なんだよなぁ‥‥


辰「おっけ。お前、無理すんなよ？」


とだけ伝えて、その日はお互い解散した。





後日ー


今日はライブ会場での立ち位置やセットの確認などをする為、メンバー全員集合。
念願のドームでのライブ、みんなテンションが上がりっぱなし。
特に佐久間や康二はずっとはしゃいでる(笑)


いつも以上にスタッフさんが多い中での作業。
当然、出来ないことや不足部分が出てくるわけで‥‥
照はリーダーとしてずっと引っ張りだこ。


最初は和やかに行われてたのに、次第にみんなイライラし始めて、最終的にはそれを照のせいにする言い方をするスタッフさんまで現れた。


流石にこれは黙ってられない‥‥


辰「流石にそれはないんじゃないスか？」

ス「でも結局責任はリーダーが取るべきでしょ。」

辰「いやいや、それだと‥‥」

照「ふっか、もういいよ。」


俺とスタッフさんの間に割って入る。
その顔には疲れが滲んでいる。
きっと体力的にも精神的にも‥‥


とにかくこのまま進めても、良いものなんか出来っこない！
俺は強引にこの場を解散させ、後日改めてやることになった。
各自解散となる中、俺は照を引き留めた。


辰「照、ちょっと話そう。」

照「えっ？なんで？」


なんでじゃねーだろ‥‥
冷静に考えることが出来てない。
強引にではあるが、俺の家に連れて帰ることにした。

・→←リーダーの呪縛（深澤/岩本）⭐︎リクエスト作品⭐︎

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す