White Dream Story -2-

成功確率（岩本・深澤/阿部）⭐︎リクエスト作品⭐︎ ページ11

《阿部side》


あのね、ほんとに最初は気づかなかったんだよ？
でも、ちょっとくらいなら平気かなって‥‥


〜♪〜♪


アラーム音で目が覚める。
なんでだろう、いつもより寝起きがスッキリしない。
俺は特に気にかけることもなく、起き上がって朝のルーティンに取り掛かった。


最初に異変に気づいたのは、クイズ番組の収録後。
体がポカポカするなぁって。
でも今日のクイズも白熱してたから、興奮が冷め切ってないんだと思ってたんだ。


マ「阿部さん？顔、赤いですけど‥‥」

亮「えっ？ほんと？収録後だからかなぁ？
　 でもしんどくないから大丈夫だよ！」


今思えば、多分ここから熱は上がり始めていた。


次はYouTube撮影だった為、テレビ局から事務所に移動。
マネージャーに車を回してもらい、車内で軽くご飯を食べようとしたんだ。
でも、なんでか食欲が湧かない。
とりあえず、お水だけはいっぱい飲んだんだっけ‥‥


事務所には先に照、ふっか、ラウールが到着していた。
今日の撮影は4人でだから、俺で最後。
2本分撮るんだよね！


ラ「阿部ちゃん！お疲れ様ぁ！」

辰「おう！今日のクイズ、どうだった？」

亮「バッチリ！まぁ放送見てよ♪」


照は少し離れたとこで筋トレしてる(笑)
ほんとストイックだなぁ、尊敬するよ！


1本目を撮り終わったところで、俺はやっと自分の異変に気づいた。
これ、発熱してるよね？
見た目は至っていつも通りなのか、みんなは気づいてないみたいだし、このまま隠し通そう。


このとき正直にしんどいことを打ち明けてれば良かったのに‥‥
2本目を撮り始めてすぐ、頭がぼーっとしてきた。
座っての撮影だったのが唯一の救い。
体を動かす企画だったら、たぶん無理だったと思う。
もう少し、もう少し‥‥
その気力だけで、なんとか乗り切った。


ラ「お疲れ様！僕次行ってきまーすっ！」


次の仕事があるラウールを見送った瞬間‥‥
あれ？なんか視界が歪んでる？


辰「おいっ！阿部ちゃん⁈」

照「阿部っ⁈」


なんか遠くで名前呼ばれてるような‥‥
俺の意識はそこで途切れた。

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