淡雪の内緒事���� ページ36
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「よし、荷物の搬出しゅーりょ〜！！！」
「おつかれーい」
月日は流れ、無事会社も退職しついに兼業ではなく配信一本で生きていく事になった
正直不安といえば不安だ。今はもうVtuberも溢れかえるほどいて世の中のブームは瞬く間に流れていく。そして働くということ自体中々簡単ではない時代に、履歴書に空白を作るということがどれほど大きな事かは理解しているつもりだ
ただ幸いにも私には個人勢で見事成功している“白雪レイド”という大先輩が幼馴染として身近にいるのだ
3ヶ月くらい前に再会して配信者として一度下駄を履かせてもらってから、レイドくんに色んなことを教わりつつがむしゃらに頑張ってきたつもりだ
結果はまだまだ彼の背中は遠くにあれど、個人勢としては多分十分成功している部類に入るのだろう
不安ではあるが少しはVtuberとして自信がついてきた
そんなわけで引越しよりも先に新居の回線を引き終え、退職した次の日にはもう引越し日とタイトなスケジュールだったので、レイドくんにお手伝いに来てもらった
「レイドくんもお疲れ様
お陰でPC周りとか壊さずすみそう〜」
「よくこんだけPC分からない状態で配信者出来てたよね」
「あはは〜…お恥ずかしい限りです」
出来ていた、とはいえレイドくんに色々手直ししてもらってだいぶマシになったので、出来ていたと言えるかは自信はない…
「まあ俺も会社やめちゃえとか色々発破かけた責任もありますからね
こんぐらいお安いご用ですよ」
「レイドくんは優しいなぁ」
ほんと彼の面倒見の良さと優しさには頭が上がらない
ただハルさんも言っていたが、普段のレイドくんの配信を見てても彼が自発的に動く事を表に出すことはあまりないので、特別私が面倒見てもらっているのは自覚している
かく言う私もただの友達には、長時間かけて手料理作りに行ったりしないし、朝が弱いからって目覚ましがわりのモーニングコールをするわけではないので、お互い幼馴染補正というか
空白の時間は十分埋まり今はお互い一番気の知れた仲なのは間違いない
「よし、あとはPC関係とか貴重品を車に詰め込めこんで、部屋引き渡したらこの家ともおさらばだ」
親に車を借りたので商売道具のPC関係は自前で持っていくことにした
「んじゃあ新生活でもよろしくね」
「おう」
こうして私の新生活は幕を開けた
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作者名：みずと | 作成日時：2022年12月7日 19時
