配信の裏側に君との内緒事 (ページ33)

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淡雪の内緒事③② ページ33

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「美味かった〜」

我ながらうまくふわトロに作れたオムレツのオムライスはどうやらレイドくんに好評だったようで、本当に美味しそうに完食してもらえた

「よかった」

「いやマジでうまかった
手料理なんて食べたの久々だったしすげー満たされた」

「そうでしょー？
だからパンばかり食べてちゃダメだからね！」

「…善処します」

まあ1週間は大量に持ってきた常備菜があるからパンだけ生活も出来ないであろう
それに調理器具も買ってくれるようなので、今度からはこっちで材料揃えて調理もできるのでだいぶ楽になる
直接次もよろしくとは言われていないが、揃えてくれるという事はそういうことだろう

正直こんなに素直に喜んでもらえて、美味しそうに食べてもらえると、レイドくんだけでなく私もすごく満たされた気分になった

「もっと家近かったら毎週でも作りに来てほしいわ」

「ん〜会社あるからなぁ」

通勤時間の規則を考えるとレイドくんの最寄駅じゃ確実に時間オーバーなのだ
正直今回料理をレイドくんに振舞ってみて、すごく満たされた自分がいて多分人に振る舞うことが趣味なのであろう
そう思うと毎週食べてもらえるのはすごく魅力的なことではある

「でも配信頑張るんだったらそろそろ兼業はきついんじゃない？」

「今でも若干キツい…」

そうなのだ
前でさえ会社や寝る時間以外の結構な割合を配信活動に当てていたのに、ここレイドくんに再会してからは以前以上に精力的に活動しているので常に寝不足気味でエナジードリンクには何度もお世話になっている

「頑張るなら思い切りは大事よ
今転機だろうし」

「うっ個人勢でのしあがった人の言葉は説得力ある…」

確かに今レイドくんやハルさんの影響で急成長を遂げているわけで、これを逃したら次はくるのかわからない
今の配信活動の収入でも貯金は出来ないがなんとか切り詰めればやっていけるし、そもそも趣味も料理くらいなのでお金もかからず多少は貯金もある

「それに俺に並べるくらいになるつもりなら問題ないっしょ」

「う〜〜〜〜〜ん！
も〜いっそ会社やめてレイドくんの家政婦する〜！！！」

「え、願ってもないけど」

「…え？」

こうして私は次の月曜日には会社に退職願を提出することになった

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