淡雪の内緒事�´� ページ14
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不覚だった…
Aからこんな話が聞けるなんて…
肩に頭を乗せられた時はまだ耐えれた。
昔を思い返して、懐かしさを覚えてその感覚に浸っていた。
が、自分だけではなくAも遠い記憶をずっと引きずっており、その上自分と同じ気持ちを知りたいと…
そんな嬉しい言葉さえもAの口から出てきたのだ。
こんな胸が熱くなるような嬉しいことはない。
自分も離れてからの長い年月ずっと気になり引きずって、苦しくなって時に横道にそれたこともあったが、結局Aへと戻ってきてしまった日々が全て報われた気さえした
うまく取り繕えず、Aが振り向くも
今の俺の顔は鏡を見なくともわかる…
なんなら涙も出ていたかもしれない…
「…ふふ、泣いてるの？」
「あ〜〜…だから見ないでって言ったじゃん…」
すぐ横でこっちを真っ直ぐ見てくる瞳が、さっきまでは懐かしくていくらでも見ていられたのに、今は凄くしんどくて、自分の顔を手で覆ってしまう
「さっきと立場逆転だね」
お返しとばかり俺の頭を撫でるA
側から見たらピッタリくっついて頭撫でられてって、完全に恋人の距離感に見えるだろう
自分でもそう思う…
なんならAが今隣で恋人としていてくれたらよかったのにと、昔も何度か妄想したこともある…
きっとこの状態は今までずっと苦しんだ自分へのご褒美だろう…と心の中で小さくガッツポーズするのであった
今日の麻雀もきっと徳積みのためだったんだな、なんて思えばなんぼでも振り込みましょう…！！！
なんて考えてしまう都合のいい頭
そんぐらい今の自分は浮かれているって事だろう…
ただ、自分の気持ちが暴走する前にストッパーが効くのは
やっぱりそれだけAの事が大事なのだろう
そもそもAに彼氏がいないかすら知らないのだ
この距離感も幼馴染に10数年ぶりに逢えたから、嬉しくてしてくれているだけかもしれない…
そう考えると少しばかり心がキュッと締め付けられた
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作者名：みずと | 作成日時：2022年12月7日 19時
