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「派手にやられたなぁ」
源外はそう言ったがニカっと笑って見せては「直る」と言った。
「奥に運んでくれ」
「暫く預かるぞ」
俺の背におんぶされていたAは少し嫌そうに首にしがみついていたが渋々離れた。
『此処に、居る?』
「邪魔になっちまうから、一度戻るよ」
『……』
「終わったら直ぐ来るから」
あからさまに臍を曲げるような顔はまるで子供みたいで愛おしさすら感じた。
「んじゃ、頼んだわ」
源外にそう告げ、その場を後にした。
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「路地で倒れ込んでるのを見付けた」
「何者かに刺されたような傷だったな」
桂は約束通り、Aを見付けた時の状況を説明しに万事屋に来た。
「誰かの恨みを買うような奴じゃねぇ…」
「ふむ、…しかし俺は顔見知りの犯行な気もしている」
「何で」
「胸を一突き、それもカラクリである彼女を」
「…」
「どうも違和感が無いか?」
桂の言うように、違和感はずっと感じていた。
だとしても、だ。
余計に動機が分からない。
「本当に分からないのか? 銀時」
「…どう言う意味だよ」
「もし、お前が”A”の偽物が作られたと知ったら、どうする?」
まるで核心を突く質問に息をするのを忘れそうになった。
「いや、質問が悪かったな… お前は初めて彼女を見た時、どういう反応をした?」
____「巫山戯んな!! 悪趣味にも程があるぞ!!」
初めて彼女を見た時、俺はそう叫んだ。
そうだ、そうだった…。
どうして今まで忘れていたのだろうか、俺は彼奴を否定したんだ。
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アカツキ(プロフ) - おひなさん» はじめまして、温かいコメント有難うございます。またご縁がありましたら読んでくださると嬉しいです (8月15日 7時) (レス) id: a7c4fa7239 (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました!😊 (8月14日 23時) (レス) @page38 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年7月24日 13時