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16. ページ17

 
 


夜風が肌に当たり心地良い。
 




未だ、足元がふわふわする中、微かに花のような甘い香りがした。
 




嗚呼、Aの香りだ。
 
 
 





『銀時ー、大丈夫? 気持ち悪くない?』

「ぅーーーん…」

『もう少しだから、頑張って』
 
 





俺はと言えば彼女に支えられているお陰か、なんて事は無いが、少し息の上がってるAを横目に口元が緩んだ。
何だかんだ優しいよなぁ、って愛おしくなって、まだ着かなくても良いなんて思ったりもして。
 
 

そんな思いも虚しく、カン、カン、と。
一歩ずつ万事屋へ続く階段を二人でゆっくり登った。
 
 
 




『とうちゃーく、ハァ…、疲れた…』
『ほら、銀時、布団までは自分で』
 
 
 





俺はAの服をギュッと掴んで離さなかった。
まるで子供みたいに、まだ離れたくないとでも言うみたいに。
 
 


普段なら恥ずかしくて出来ない行為も、今日は、そして今だけは、全て酒のせいに出来るから良いのだ。
 
 
 
 

Aは何も言わずに寝室まで一緒に歩いてくれた。
 
 
 
 





「なぁ、A」

『ん、なぁに』

「此処に居て、何処にも行かねぇで」

『…貴方がそう望むなら、私はいつだって側に居るよ』

 
 
 
 




Aの腕の中で抱きしめられ”人間”と同じ体温と、”鼓動”にひたすら安心した。
 
 



本当に、生きてるみたいだ。
 
 
 
 





「はは…、嘘吐きだなぁ、手前ェは…」

 
 
 
 
 




眠気で霞む視界の中、俺は少し笑って目を閉じた。
 
 
 
 







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アカツキ(プロフ) - おひなさん» はじめまして、温かいコメント有難うございます。またご縁がありましたら読んでくださると嬉しいです (8月15日 7時) (レス) id: a7c4fa7239 (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました!😊 (8月14日 23時) (レス) @page38 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年7月24日 13時

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