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「土方さーん、良い加減に手離してくだせェよ」
「逃げんなよ」
「そう言われると逃げたくなりやす」
土方は漸く沖田から手を離し、沖田も漸く自分の足で立って歩くことができるようになった。
「…何不機嫌になってんですかィ? ニコチン不足かよ」
「あ? 手前ェがサボってばっかりだからだろうが」
「へぇー? 本当はAさんが旦那と喋ってんのが気に入らねぇんじゃねぇですかィ?」
土方は沖田を睨む。
「…此処最近攘夷浪士の動きが活発になってる」
「昨日の一件も…、高杉一派の動きも…」
「気を引き締めろ」
正論パンチに沖田は心底嫌な顔をしたが反論はしなかった。
「高杉一派、ね…」
町の掲示板には「過激派・危険人物。高杉晋助」の名前と共に人相書きが張り出されていて、彼はそれを見ていた。
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「真選組に居る女…?」
「はい、其奴に邪魔されて…」
「…俺はまだGOサインは出してねぇんだがなァ?」
「すッ、すみません…!」
男は顔を青くし額を地面に付けた。
それを横目に煙管を蒸す片目の男は「女、ねぇ…」と呟く。
「ククッ、面白ェじゃねぇか… 会うのが楽しみだ」
低い声でクツクツと笑う彼はカンッと音を鳴らし煙管の灰を盆へと叩き落とした。
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アカツキ(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» 最後まで読んでくださり有難うございました。めぐぽん様からのコメントとても励みになりました。 (7月2日 22時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - 完結、お疲れ様です!改めて、アカツキさんのお話が好きだと思いました。また楽しみにしてます! (7月2日 12時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» 完結の目処は立っていますので更新はコンスタントに行えると思います。最後まで見守って下さると嬉しいです。コメント有難うございます (6月24日 14時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - あさん» はじめまして。コメント有難うございます。かなり前に書き溜めてた作品を軽く手直ししながら載せているので至らない所もあるかもしれませんが、最後まで楽しんで頂ければ幸いです... (6月24日 14時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - 更新ありがとうございます!続きが楽しみです! (6月24日 12時) (レス) @page16 id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年6月21日 22時