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小さな救急箱を片手に自室に戻ったAは土方の巻いてくれたスカーフを外す。
傷口は深くは無いものの、ジュクジュクと薄い液が出ていて酷い有様だった。
 


恐る恐る消毒液を垂らすと染みて痛みが駆け巡った。
 




「Aさーん、ってあれ? 怪我したんで?」

『沖田さん。申し訳ないんですけど手伝ってもらっても良いですか?』

「勿論」


 




ガーゼを置き新品の包帯を巻く沖田に、『何か用でしたか?』と尋ねる。
 





「んー、あったんですけどもう良いでさァ」
「…出来やした」
 
 





包帯の最後を金具で留める沖田は手を離し救急箱を閉じた。


 





「Aさん、アンタはもう少し自分を大切にするべきだと思いやす」

『…? してます』

「土方さんが早く居なくなれば俺が副長になれるんですけどねィ」

『それは、…そうかもしれませんね。それには私は邪魔ですか?』

「ははっ、意地の悪い質問だ。ま、正直」

『じゃ、私と副長…二人死ななと沖田さんは副長にはなれませんね』
 
 
 






Aは冗談でそう言ってみたが沖田は目を見開いて、そして怒ったような顔をした。
その表情に『(自分から言い出した事なのに)』と思ったが、口には出さなかった。
 
 
 





『冗談ですよ』

「笑えねぇでさァ」

『怒ってますか?』

「怒ってます」

 
 





それにはAも困ったような顔をした後、『お団子ご馳走したら許してくれますか?』と提案した。
沖田はみるみる目を輝かせニッコリ笑う。
 
 






「良いですぜ」

『では明日、昼休憩の時にでも』

「約束でさァ」

 
 
 






小指を差し出す沖田に自身の小指を絡めると彼は機嫌が良いのかそのまま救急箱を持って部屋を出て行った。
 
 
 
 







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アカツキ(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» 最後まで読んでくださり有難うございました。めぐぽん様からのコメントとても励みになりました。 (7月2日 22時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - 完結、お疲れ様です!改めて、アカツキさんのお話が好きだと思いました。また楽しみにしてます! (7月2日 12時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» 完結の目処は立っていますので更新はコンスタントに行えると思います。最後まで見守って下さると嬉しいです。コメント有難うございます (6月24日 14時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - あさん» はじめまして。コメント有難うございます。かなり前に書き溜めてた作品を軽く手直ししながら載せているので至らない所もあるかもしれませんが、最後まで楽しんで頂ければ幸いです... (6月24日 14時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - 更新ありがとうございます!続きが楽しみです! (6月24日 12時) (レス) @page16 id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年6月21日 22時

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