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『こんばんは』
 





此処で会う機会など無さそうな人物の声に銀時は驚き振り返る。
 

ガヤガヤと騒がしいその場所に彼女は私服であろう着物姿で現れ隣の席に座った。
 
 
 



「え、Aちゃんもこういう所来るんだ」

『旦那は私を何だと思ってるんですか』

「いや意外だな〜って…まぁ良いや何飲む?」
 
 





気を利かせたつもりでメニューを渡したが、Aはそれに目を通す事なく『生を』と言う。
 





「生ね。おやじ! 生二つ!」

「あいよっ!」

「…んで、最近はどう?」
 
 





銀時の質問にAは少しだけ考えた素振りを見せて、何かを思い出したのか表情を緩めた。
 
 





『良いですよ』

「…! へぇ、良い事でもあった顔だね」

『私は土方さんが好きです、それを気付かせてくれたのは旦那でした』

「そうだっけ」

『そうですよ、だから今日はお礼を言いに来たんです』

「あんま身に覚えねぇけど、まぁお礼なら受け取っておくわ」
 
 
 






届けられたビールジョッキをお互いにぶつけ合い、改めて「乾杯」をした。

 
 





「おい、何してやがる」

「あれ? 土方くんじゃん、今Aちゃんと飲んでるんで邪魔しないで貰えますぅ?」

「うるせぇ、つか此奴に酒飲ませんな」

「え、何? どうして?」

「……こうなるからだよ」
 
 





彼女のジョッキはまだビールが並々残っているが当の本人は机に頬を付けて眠ってしまっている。
 






「嘘でしょ…? 一口で?」

「遅かったか」

「つーか何、わざわざ迎えに来たの? お前が?」

「手前ェの女迎えに来て何が悪い」




 

 

「へぇ、お前の女ね〜」なんて呑気に復唱して数秒、勢いよく土方の方を振り向いた。

 



 



「え?! お前の?! え?! 何て?!」

「うるせぇな」

「おいおいおいおいマジかよ」
 
 






これは深く聞かない訳にはいかない、と。
 

銀時は己の座っていた椅子を土方に譲り、一つ席をずらして座ると「で?」と話題を降る。


その顔はニヤニヤが止まらず、女が恋バナ好きな理由が少し分かるとすら思った。

 



 


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アカツキ(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» 最後まで読んでくださり有難うございました。めぐぽん様からのコメントとても励みになりました。 (7月2日 22時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - 完結、お疲れ様です!改めて、アカツキさんのお話が好きだと思いました。また楽しみにしてます! (7月2日 12時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» 完結の目処は立っていますので更新はコンスタントに行えると思います。最後まで見守って下さると嬉しいです。コメント有難うございます (6月24日 14時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - あさん» はじめまして。コメント有難うございます。かなり前に書き溜めてた作品を軽く手直ししながら載せているので至らない所もあるかもしれませんが、最後まで楽しんで頂ければ幸いです... (6月24日 14時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - 更新ありがとうございます!続きが楽しみです! (6月24日 12時) (レス) @page16 id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年6月21日 22時

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