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「あー…ちょっと傷が開いてるかな…?」

『お手数お掛けしてすいません、山崎さん」

「いやいやそんな! Aさんが副長に勝ってスカッとしたよ」

 
 
 

「スカッとしただァ〜?」
 
 
 



地を這うかのような重たく低い声に山崎は勢い良く振り返り顔を青くした。
「ははは…、」と誤魔化すように笑う。
 


そんな彼に土方は呆れたように溜息を吐いてAの方を見た。
 
 
 



「具合はどうだ」

『大した事ありません』

「そうか」

『副長、約束は守ってください』

「…はぁーッ、どいつもこいつも…」

 
 




Aの真っ直ぐな瞳に土方は片手で顔を覆い、諦めるように「分かった」と言うのだ。
 
 





「但し、条件がある。飲めないとは言わせねぇぞ」

『何でしょうか』

「”盾”は不要だ、手前は手前の事を考えて動け」

『……、それが条件ですか?』

「不満ならこの話は無しだ」

 
 





条件を出すなら最初から言ってほしいものだが、それが先だろうが後だろうがAにとっては条件を飲む他ない。
 
 






『分かりました』
 
 







Aはそう言い頷くと影で待機していた隊士達が「「「ワッ!」」」と一気に出て来た。
 
 






「Aさん! おめでとうございます!」


「あの副長に勝つなんて!!」


「俺感動しました!」
 
 
 




わらわらと湧いて出てくる隊士にAは驚きつつも、少しだけ顔を綻ばせた。
土方はそこからゆっくり離れる。
 
 







「副長の座を降りる約束も守ってくだせェよ」
 



「馬鹿野郎、誰が譲るか」
 
 






沖田の横を通り過ぎる土方は何か吹っ切れた様子で、口角を上げていた。
 
 



 


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アカツキ(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» 最後まで読んでくださり有難うございました。めぐぽん様からのコメントとても励みになりました。 (7月2日 22時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - 完結、お疲れ様です!改めて、アカツキさんのお話が好きだと思いました。また楽しみにしてます! (7月2日 12時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» 完結の目処は立っていますので更新はコンスタントに行えると思います。最後まで見守って下さると嬉しいです。コメント有難うございます (6月24日 14時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - あさん» はじめまして。コメント有難うございます。かなり前に書き溜めてた作品を軽く手直ししながら載せているので至らない所もあるかもしれませんが、最後まで楽しんで頂ければ幸いです... (6月24日 14時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - 更新ありがとうございます!続きが楽しみです! (6月24日 12時) (レス) @page16 id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年6月21日 22時

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