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真選組による閉鎖地区を抜けて次こそ万事屋への道を辿る銀時はふと足を止めた。
聞き覚えのある三味の音色と、少し派手と言える蝶柄の着物を着た男が宿屋の二階窓際に座って三味を持っている。
「よォ、銀時」
「……高杉」
高杉と呼ばれた男は銀時の姿を確認してはクツクツと楽しそうに喉を鳴らして笑う。
「こんな所で何してんだよ」
「なに、ちょっとした駒が好き勝手しているようだから見物さ」
「相変わらず悪趣味だな」
「ククッ、何とでも言え」
「今度は何企んでんの?」
銀時の質問に高杉は少しだけ驚いた表情をして見せてまた笑う。
「まさか手前ェから首を突っ込んでくるたァ…」
「突っ込んでません〜、ちょっと聞いただけです〜」
「…分かってる筈だぜ、銀時ィ…、知ったら最後、巻き込まれるってなァ?」
「巻き込んでんのお前等な」
「お前”等”か…違ぇねェ」
高杉は持っていた三味線を近くに立てかけるように置き立ち上がる。
「真選組に女隊士が居るって聞いてなァ? 近い内挨拶でも行こうかね」
「…! …彼奴は隊士じゃねぇ」
「知り合いだったかァ? ますます面白ェ… 邪魔だけはするなよ、銀時」
そう言い残し見えなくなる高杉に銀時は今日一番の溜息を吐き出した。
こういう時の自分の性格が嫌になる程に。
「聞くんじゃなかった…」
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アカツキ(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» 最後まで読んでくださり有難うございました。めぐぽん様からのコメントとても励みになりました。 (7月2日 22時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - 完結、お疲れ様です!改めて、アカツキさんのお話が好きだと思いました。また楽しみにしてます! (7月2日 12時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» 完結の目処は立っていますので更新はコンスタントに行えると思います。最後まで見守って下さると嬉しいです。コメント有難うございます (6月24日 14時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - あさん» はじめまして。コメント有難うございます。かなり前に書き溜めてた作品を軽く手直ししながら載せているので至らない所もあるかもしれませんが、最後まで楽しんで頂ければ幸いです... (6月24日 14時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - 更新ありがとうございます!続きが楽しみです! (6月24日 12時) (レス) @page16 id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年6月21日 22時