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去っていく土方と女の後ろ姿を見送りながら、銀時は口を開いた。
「あの子、何者だよ?」
「Aさんは土方の
「ホコタテ?」
二人が居なくなったからか、沖田は団子屋の長椅子に腰掛け、ちゃっかり団子を注文していた。
「まさか旦那が背後を取られるなんてね」
「油断してただけですゥ」
「そういう事にしておいてあげまさァ」
「つーか、真選組は女人禁制だろ」
「まぁ、あの人は正式な隊士ではねぇですし、…色々あるんで」
そこまで言うと沖田は運ばれてきた三色団子を食べ始める。
銀時は再びクエスチョンマークを浮かべたがそれ以上の詮索はやめた。
極力首は突っ込まない方が身の為なのだ。
聞けば聞くほど、面倒に巻き込まれていくのがオチである。
「A…ねぇ」
ただぽつりと彼女の名前を呟く銀時を沖田は横目で見ていた。
.
.
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「いらっしゃい!」
提灯の灯る居酒屋の暖簾を潜ると夜にしては少しばかり大きめの声で挨拶が飛んできた。
「よォ」
目の前のカウンターには見慣れた天パの男に土方は一瞬嫌な顔をしてみたがその隣の席に腰を下ろした。
カウンター奥から大将が熱々のお手拭きを渡してくれて、それを受け取りつつ「生一つ」と注文をする。
「…今日は悪かったな」
「え? 何、」
「Aが刀を向けただろ」
「…あー…、良いよ別に。つかまさか土方くんが謝るなんてな」
「うるせぇ」
「お詫びは此処の飲み代ね」
「チッ」
盛大に舌打ちしながらも拒否しないのは「良い」ということだろう。
「あの子、土方くんのほこたてなんだってな」
「…周りが勝手にそう言ってるだけだ」
「あそ」
銀時は興味なさげだったが、一方の土方は運ばれてきたビールを一口飲むとまた彼女の話を始めた。
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アカツキ(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» 最後まで読んでくださり有難うございました。めぐぽん様からのコメントとても励みになりました。 (7月2日 22時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - 完結、お疲れ様です!改めて、アカツキさんのお話が好きだと思いました。また楽しみにしてます! (7月2日 12時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» 完結の目処は立っていますので更新はコンスタントに行えると思います。最後まで見守って下さると嬉しいです。コメント有難うございます (6月24日 14時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - あさん» はじめまして。コメント有難うございます。かなり前に書き溜めてた作品を軽く手直ししながら載せているので至らない所もあるかもしれませんが、最後まで楽しんで頂ければ幸いです... (6月24日 14時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - 更新ありがとうございます!続きが楽しみです! (6月24日 12時) (レス) @page16 id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年6月21日 22時