【銀魂】後にも先にも君だけ

27. ページ28

「はぁ?! 高杉に会ったぁ?!」

『声が大きい』

「おま...っ、お前っ! 自分の立場分かってンの?!」

　





銀時が心配しているのは真選組で働き始めた事を言っているのだろう。
もし高杉との密会がバレれば打首処分だって有り得る。


　




「頼むから心配掛けんなよ...」

『えー? 晋助は晋助だよ』

「彼奴は今は過激派テロリストなの!!」

　





繋がれていた手をグッと強く掴み上げ大きな声を出す銀時に、Aは口を閉ざした。



　



「何揉めてんだ」



　


そんな2人に声を掛けたのは黒い隊服を見に纏った土方だった。
銀時もAも彼の登場にドキッとする。

　


もちろん悪い意味で、だ。


　




「も、揉めてなんかねぇよ!! なっ?!」

　



『そっ、そうですよ!! 私たち仲良しなので!! ねっ?!』

　





2人の慌てように怪訝そうな顔付きになる土方に話題を変えようとAは別の話を振った。


　




『お一人で見回りですか?』

「ぁ? …嗚呼、前にも言ったが高杉の情報があるからな… 見回り強化中だ」

『わ、わぁ......大変ですね...』



　



話題を変えるつもりが結局高杉の話になってしまいまたしても顔を強ばらせる。



　




「なぁ〜、もう行って良い? 税金泥棒に構ってるほど暇じゃねぇんだわ」



「その税金泥棒から給料貰ってんのはどこのどいつだ」



『わ、私ですかね......』



　




「「！！！」」

　






困ったように人差し指でぽりぽりと頬を掻くAに2人はギクリとする。
いつもの言い合いのはずが飛び火が彼女に行ったのだ。

　






「...いや、悪い、お前には見合っただけの働きをしてもらってる」
「口が過ぎたな」


『いえ...、ほら銀時も謝って』


「はぁ?! 何で!!」
「俺別に悪いことして無くね?!」

　






小学生みたいな言い訳をする銀時にAは目を向ける。


　





『土方さんは謝ったよ、大人だね』
『銀時も煽ったでしょ?』

　







余程謝罪の言葉が喉に詰まるのか、う"...と唸る。
それでもAがじっと見詰める視線の痛さが勝ったのかボソリと「悪かったよ、」なんて不貞腐れた物言いではあったが謝った。







『うんうん、良い子だね〜』
『それじゃ土方さん、私たちもう行きますね』








ニコニコといつもの笑顔に戻ると歩き出す彼女に、残された2人はポツンとその場に立っていた。







「...すげぇな、お前の嫁」



「…でしょ、自慢の奥さんよ」




　

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