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「お待たせしました〜! スペシャルデラックスパフェで〜す」
フリルの可愛いメイド服を着た女性店員が持ってきたそれは確かにその名の如くスペシャルでデラックスな見た目のパフェだった。
目の前のパフェに銀時は目を輝かせ、早速スプーンで一掬い。
見ているこっちが胸焼けしてしまいそうだ。
「本当にお前は食わねぇの?」
『かなり大きいし、何口か貰えれば良いよ』
「ふーーーん、美味いのに… 残したら俺が食うよ?」
『糖尿病予備軍が何言ってんの』
正直言うと最近はあまり食欲が無い。
お腹は空いているはずなのに、いざ食べ物を前にすると食欲を無くす。
これも"病"の作用だろうか。
そう考えることで自分を納得させている。
『うん、本当だ、甘過ぎなくて美味しいね』
ホイップクリームを少しだけ掬って口へと運び、スプーンは置いた。
温かいお茶を飲むとホッと息を吐く。
「…それだけ?」
『食べて良いよ』
さっきまで幸せそうにパフェを食べていた銀時の手が止まる。
彼もスプーンを置くとAをじっと見つめて口を開いては閉じ、また開いては閉じを数回繰り返した。
『何?』
「え、あ…、いや、」
『何よ、何か言いかけたでしょ?』
Aの指摘に口籠もり、小さく息を吐き出した。
それは溜息というより深呼吸の方が近いかもしれない。
そして諦めたようにこういうのだ。
「俺を好きになってたらそんな病治っちまうのに」
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アカツキ(プロフ) - 美姫さん» コメント有難うございます。登場キャラの想いが交差してぐちゃぐちゃに絡まるような、そんなお話にしたかったのですが難しかったです... 最後まで読んでくださり有難うございました (2023年2月12日 10時) (レス) id: 359e2a8a6b (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 切なくて切なくて、でもとても美しい作品で、涙が止まりませんでした。本当に最高の作品でした。ありがとうございました。 (2023年2月12日 7時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - おひなさん» 初めまして。コメント有難うございます。土方さん落ちは久々だったのでこれで良いのか迷走しましたが、おひなさんの暖かい言葉に救われました (2023年2月9日 7時) (レス) @page49 id: 359e2a8a6b (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 最っ高な作品をありがとうございました!終始涙腺崩壊でした!w (2023年2月9日 2時) (レス) @page49 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2022年12月27日 23時