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12. ページ13

 
 




「何これ」

 





目の前に出されたちょっと良さげの菓子折りに銀時は戸惑っていた。
 






『何って、この前介抱してもらったからお礼』
 






 

万事屋の客間のソファに座るAは新八が出してくれたお茶を啜って落ち着いたトーンでそう言う。



 




「ンだよ、別に良いのに」

『そう? じゃ持って帰る』

「あーーー!! 嘘嘘! 有難く頂きますゥ!!」

 






箱に手を付ける彼女から奪うように引っ張り取り、再び取り上げられないよう頭の上へと上げた。
その大人気ない様子に従業員である神楽も新八も呆れた顔をする。


 





『最初から素直に受け取ってくれれば良いのに』
『気を使った私が馬鹿みたいじゃない』



 




ツーンと冷たい態度の彼女に、「まぁまぁ、」と新八が宥めるように声を掛けた。
銀時はとどこか言いずらそうにもごもごと何かを口篭る。


 

そして漸く小さい声で「...ありがとな」と言うのだ。

 


その言葉を聞き、Aは嬉しそうに笑う。
 









『こちらこそ、ありがとう』
 







化粧のせいか、ほんのり染まる頬に銀時は「(狡い)」と思った。


 






『じゃ用は済んだから私は帰るね』
『新八くん、お茶ご馳走様』



 




すっかり飲み干された湯のみを机に置き、Aは腰を持ち上げる。
そんなAを銀時は慌てて引き留めた。

 






「ちょっとさ、話があるんだけど」
「新八と神楽は外してくれね?」



「私たちに言えないような事アルカ」
「告白でもするアルカ?」



「違ェよ!!」
「良いから買い物でも行ってこい!!」




「まぁ良いですけど...」
「神楽ちゃん、行こう」


 




話を聞くとは一言も言ってないのだけれど...。


3人の怒涛のやり取りに呆気に取られたAはそのまま立ち尽くす事しか出来ず、気付けば万事屋には銀時とAの2人きりになっていた。






 
 


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アカツキ(プロフ) - 美姫さん» コメント有難うございます。登場キャラの想いが交差してぐちゃぐちゃに絡まるような、そんなお話にしたかったのですが難しかったです... 最後まで読んでくださり有難うございました (2023年2月12日 10時) (レス) id: 359e2a8a6b (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 切なくて切なくて、でもとても美しい作品で、涙が止まりませんでした。本当に最高の作品でした。ありがとうございました。 (2023年2月12日 7時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - おひなさん» 初めまして。コメント有難うございます。土方さん落ちは久々だったのでこれで良いのか迷走しましたが、おひなさんの暖かい言葉に救われました (2023年2月9日 7時) (レス) @page49 id: 359e2a8a6b (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 最っ高な作品をありがとうございました!終始涙腺崩壊でした!w (2023年2月9日 2時) (レス) @page49 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アカツキ | 作成日時:2022年12月27日 23時

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