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暫く外には出ていない。
たまに電話が鳴るのも無視し続けている。
相手は多分銀時だろう。
『ゲホッ…ゥ"...』
口から出た花はやっぱり綺麗になんて見えなくて、泣きたい気持ちになった。
吐き散らした花弁を放置して布団に潜り込んでそのまま静かに夢の中へと落ちていった。
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目を覚ますと枕元に一本の瓶が置いてあった。
見るからに怪しい色の液体が入っていたが、すぐに誰からのものか察しがついた。
『晋助、来てたんだ』
声を掛けてくれれば良かったのに、とも思ったが"依頼の物"だけ置いて帰るのも彼らしい。
Aは早速、瓶を片手に起き上がりパジャマ姿であることも気にせずに庭へと出た。
置きっぱなしの如雨露の水を汲み、その中に数滴、瓶の液体を垂らした。
それは水に溶けて何も無かったかのように消えていく。
持ち上げた如雨露は中の水が跳ねたが、軽く傾ければ先から一定の量の水が出た。
『これで良いんだ』
水を浴びた花々がそんな彼女をじっと見ていた。
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アカツキ(プロフ) - 美姫さん» コメント有難うございます。登場キャラの想いが交差してぐちゃぐちゃに絡まるような、そんなお話にしたかったのですが難しかったです... 最後まで読んでくださり有難うございました (2023年2月12日 10時) (レス) id: 359e2a8a6b (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 切なくて切なくて、でもとても美しい作品で、涙が止まりませんでした。本当に最高の作品でした。ありがとうございました。 (2023年2月12日 7時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - おひなさん» 初めまして。コメント有難うございます。土方さん落ちは久々だったのでこれで良いのか迷走しましたが、おひなさんの暖かい言葉に救われました (2023年2月9日 7時) (レス) @page49 id: 359e2a8a6b (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 最っ高な作品をありがとうございました!終始涙腺崩壊でした!w (2023年2月9日 2時) (レス) @page49 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2022年12月27日 23時