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「どこで知ったの?」
Aを万事屋に招き入れ客間のソファに座らせた。
そうして切り出した話題に彼女はいつものトートバックから一枚の絵を取り出した。
「…! なんでそれ…」
『私のセリフですよ』
「そ、うだな…」
それは間違いなく彼女の絵だが、破かれたであろう部分が不恰好にもセロテープでくっ付けられた跡がある。
やったのは俺だ。
『これ、私が処分した絵ですよね』
「そうだったかもな」
『そうですよ、忘れるわけありません』
彼女は優しい手付きで絵をなぞる様に撫でて言葉を続けた。
『この前この絵を持って私の元に来た男性が居たんです』
『銀時さん、知ってますよね』
知っている。
其奴はゴミ溜めを管理するおじさんだ。
「あのオヤジ…」
『この絵を見て、他のも見たいと来てくださったんです』
「……」
『驚きました』
Aはふわりと優しく笑った。
穏やか過ぎるそれを見るのは初めてで、今日は何度も彼女の知らない顔を見ている。
『どうして、そこまでしてくれるんですか?』
「どうしてって......、」
どんな言葉を望んでいるのだろうか。
いや、そんな事考えたところで仕方ないのだ。
本音でないと彼女には伝わらないし、信じて貰えない。
心臓がギュッと掴まれたような息苦しさを気付かれないように生唾を飲み込んで誤魔化した。
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アカツキ(プロフ) - 黒猫さん» 黒猫さん、お久しぶりです。コメントありがとうございます。終わりが見えずグダグダと更新してますがそろそろ本気で終わらせようと思います… (2022年10月26日 7時) (レス) id: 16de2d871f (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 衝撃的な展開! てかお前かい! このモブめo(`ω´ )o (2022年10月24日 22時) (レス) @page21 id: 8c85f5adc6 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 黒猫さん» コメント有難う御座います。もう少し続きますが最後まで楽しんでいただければと思います (2022年8月23日 7時) (レス) id: 5f592be880 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 応援してます! (2022年8月22日 21時) (レス) id: 1ec2eca413 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2022年8月21日 17時