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ジャリと足音を立てて立ち止まる彼は見覚えのある人物だった。
「...よォ」
背後には太陽の光が後光のように彼の背中で光っている。
「其奴は俺かィ?」
そう聞かれた1枚の絵にAはゆっくりと一つ頷いた。
『違う』と否定したところでこの人には通じないと思ったし、言い訳は用意しているのだ。
『「描くな」とは言われていないので』
男は驚いたように右目を見開き、そして次には小さく笑った。
「良く描けてる」
褒めらるとは思わず今度はAの方が驚いた顔をする。
「たがこれはもう飾るな、面倒な事になりたくなかったらな」
『......分かりました』
「物分りが良くて助からァ」
彼に関しては深く聞かないのが良いのだ。
秘密事と言うのはそれだけで魅力があり、人を惹きつける。
反面、危険なものである事も知っている。
『…貴方に褒められると自信になります』
「ただの通りすがりの言葉が、か?」
『そうですね、不思議です』
「ククッ… 万人受けなんざ面白くねぇ、手前ェは手前ェを信じりゃ良い」
思ってもみない言葉だった。
『.........あの』
「次の新作も楽しみにしてらァ」
それだけ言い残し彼はまた背を向けて行ってしまった。
結局、 前回言い逃した事を今回も言えず仕舞いになった。
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アカツキ(プロフ) - 黒猫さん» 黒猫さん、お久しぶりです。コメントありがとうございます。終わりが見えずグダグダと更新してますがそろそろ本気で終わらせようと思います… (2022年10月26日 7時) (レス) id: 16de2d871f (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 衝撃的な展開! てかお前かい! このモブめo(`ω´ )o (2022年10月24日 22時) (レス) @page21 id: 8c85f5adc6 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 黒猫さん» コメント有難う御座います。もう少し続きますが最後まで楽しんでいただければと思います (2022年8月23日 7時) (レス) id: 5f592be880 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 応援してます! (2022年8月22日 21時) (レス) id: 1ec2eca413 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2022年8月21日 17時