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時計が気になって仕方ない。
Aとの約束の時間はとっくに過ぎているにも関わらず、彼女は未だ現れない。
「何かあったんですかね...」
新八が心配そうな顔をするのも無理はない。
「ちょっくら迎えに行ってくるわ」
「え...! ちょっと銀さん?!」
「行き違いになったら引き止めとけよー」
ブーツを履いて玄関の戸を閉める。
「あーぁ...銀さんってば...もう」
「ほっとけヨ、無自覚野郎アル」
二人にそんなことを言われているなど知らず。
.
.
.
彼女のアパートに来るのは二度目だ。
何だか今日はやけに緊張していると自分でも分かる。
「ふぅー...」
深呼吸は溜息にも似ている。
気持ちを落ち着かせて鳴らすインターホンが数回響く。
しかし中から彼女が出てくることはなかった。
「(...居ねぇのか...?)」
目の前の扉から一歩下がろうとした時、中から微かに聞こえた物音。
人の気配。
恐る恐る手をかけたドアノブはゆっくりと回転して重い扉を開いた。
「開いてんじゃん、物騒だな、オイ…」
開いてしまったものを閉じるのも今更な気がして、そのまま、ギィ…と音を立てて玄関へと足を踏み入れた。
「A、居るか?」
ガタガタ…ッ
思えばこの行動が正解だったか間違っていたのかなんて分かりはしない。
ただ少なくとも俺はこの時、正解を選べてはいないのだと思う。
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アカツキ(プロフ) - 黒猫さん» 黒猫さん、お久しぶりです。コメントありがとうございます。終わりが見えずグダグダと更新してますがそろそろ本気で終わらせようと思います… (2022年10月26日 7時) (レス) id: 16de2d871f (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 衝撃的な展開! てかお前かい! このモブめo(`ω´ )o (2022年10月24日 22時) (レス) @page21 id: 8c85f5adc6 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 黒猫さん» コメント有難う御座います。もう少し続きますが最後まで楽しんでいただければと思います (2022年8月23日 7時) (レス) id: 5f592be880 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 応援してます! (2022年8月22日 21時) (レス) id: 1ec2eca413 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2022年8月21日 17時