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夜中、隊士全員が寝静まっているであろう時間。
Aはふと目を覚ました。
起き上がれば布団の隙間から冷たい空気が流れ込み、寒さを感じたのか隣に居る土方は身を縮めた。
『......』
そんな寝顔が愛おしくて触れるか触れないかギリギリのキスを頬へと零した後、起こさないようにそっと布団から抜け出し廊下へ出た。
満月にも近い丸い月の光が明るく庭を照らしている。
カーン......ッ、カーン......ッ
聞きなれない音が微かに聞こえ、Aは部屋に戻って羽織を持ち出し外に置いてあるサンダルを履いた。
「土方しね、土方しね、土方しね」
音のする方へ近付けば誰かの声が聞こえる。
暗くてよく見えないのを目を細めて見るとそこには白装束を身に纏い藁人形を木に打ち付ける沖田の姿があった。
『沖田くん.........?』
「あれ? 姉御、どうしたんでさァ、こんな夜中に」
『いやいや、沖田くんこそ何してるの』
「何って、見ての通りアンタの旦那を呪ってるんで」
『やっ、やめて?!』
沖田は「ちぇ、」と口を尖らせ手を止めた。
話を聞くに彼も眠れなかったのだという。
『ねぇ、沖田くん、私のとっておきを教えてあげる』
「とっておき?」
『うん、十四郎さんにも内緒のね』
Aは人差し指を口に持っていき子供の様な悪戯な笑みを浮かべた。
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アカツキ(プロフ) - -sara-さん» 此方の作品も読んで下さり、そしてコメントまで有難うございます。夢主ちゃんは皆様のご想像の中で存在して欲しいので詳しく設定等は記載しないのですが、sara様の頭に夢主ちゃんが浮かんでくれて嬉しいです! お褒め頂き光栄です、有難うございます (2021年8月16日 8時) (レス) id: 2cb0f29e5d (このIDを非表示/違反報告)
-sara-(プロフ) - こちらにも、こんばんはm(*_ _)mどうやら、私はアカツキ様の土方さんが大好きな様です(笑)元々好きではありましたが、素敵すぎます!あと、ヒロインちゃんも凄く好きです!なんか、映像として頭に浮かんできちゃいます。最後の「猛獣使い」が個人的に大好きです! (2021年8月16日 3時) (レス) id: 7c2d2afbf6 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - あめちゃんさん» コメント有難うございます、無事完結する事が出来てホッとしています。久々に土方落ちを書いた気がしますが、なかなかに楽しかったのでまたいつか出したいですね。応援有難うございました (2021年2月16日 16時) (レス) id: adf8f89573 (このIDを非表示/違反報告)
あめちゃん(プロフ) - アカツキさん» 完結おめでとうございます!!土方さんの良さがすっごいよく表現されていて、いつも読む手が止まりませんでした。私の作品も読んでいてくださりありがとうございます!こちらも頑張ります!改めて、完結おめでとうございます。 (2021年2月16日 15時) (レス) id: beda8b3808 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 東雲 晄さん» コメント有難うございます、途中文章ミスがあり申し訳ありませんでした... ご指摘有難うございました。またご縁がありましたら作品を読んで頂けると嬉しいです (2021年2月16日 7時) (レス) id: 3bd9d4536b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2021年1月25日 23時