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「あれ、Aさんは?」



 




朝早く、と言っても時計の針は9時を示しているのだからそこまで早くはないのだが。
銀時にとっては十分過ぎる時間だった。
眼鏡を掛けた少年、志村新八の質問に銀時は眉を顰めた。

 







「…さぁ、腹一杯で寝てんじゃね」

「え、またですか…最近吸血の頻度多くないですか?」

「全く、こっちの身にもなれってんだ」




 



ガシガシと頭を掻き毟る銀時を横目に新八は彼女が居るであろう襖の奥を見ている。
暫くして押し入れから目元を擦り起床してくる少女、神楽に顔を洗ってくる様に促すとまた口を開いた。





 


「そしたら今日は鉄分を多く取らないとですね」

「鉄分よりも糖分が欲しい」

「アンタはいつも取ってんでしょうが」


 






心配していたがいつも通りの銀時に新八は呆れ朝食の支度をするべく、お勝手へと姿を消した。

 


1人になった銀時もまた立ち上がり、新八が見ていた襖の方へ足を運んだ。
取っ手に手を掛け、スッ、と静かに戸を引く。



 







「...ったく、気持ち良さそうに寝やがって」
「おかげでこっちは貧血気味だっつの」

 







布団に包まり眠る彼女の鼻を摘む。
寝苦しそうに眉間に皺を寄せるのを見ると銀時は手を離した。



 





『...んん、なに』

「ほらよ朝飯」

『良いの?』


 







人差し指を口元へ差し出す銀時に寝起きだというのも忘れて勢いよく上半身を起こした。

 








『あんなに文句言ってたのに』

「要らねぇなら良いけど」

『要る...!! 要る!!』

 
 






がっしり手を掴んで逃がすまいと銀時の指に噛み付いた。
器用に歯で傷を付け、ちゅう、とその血を吸い取る。




 





「...、」

『今日も健康体だね』

「素直に"美味しい"って言え」



 







口内に残った血を味わうように舌なめずりした後大きく伸びをするAに銀時はまた客間へと戻って行った。










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アカツキ(プロフ) - 美姫さん» コメント嬉しいので大丈夫ですよ、ありがとうございます。此方の作品も完結の目処が経ちましたので最後まで楽しんでいただければと思います、応援ありがとうございました (2022年4月13日 7時) (レス) id: 0c162c5444 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - さいっっっっこうです!!何度もコメントしてしまい申し訳ありません。もう日々の楽しみとなってます!昔の作品も読み返しているところですが、本当にどの作品も面白いです。無理しない程度に頑張ってください!本当に応援してます! (2022年4月13日 4時) (レス) @page30 id: 5e34f22924 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 美姫さん» 初めまして、温かなコメント有難うございます。そろそろ完結に向けて動き出しますので見守ってくださると嬉しいです。終わり次第また新作も出す予定ですのでお時間ありましたらまた是非読みに来てください (2022年4月9日 0時) (レス) id: 5f592be880 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - アカツキさんの小説本当に大好きです。これからも応援しています!頑張ってください! (2022年4月8日 16時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - RIOさん» コメント有難うございます、読んで下さり嬉しいです。更新遅れ気味で申し訳ありません...またぼちぼち更新しますのでこれからもよろしくお願いします (2022年4月6日 16時) (レス) id: 9759a783ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アカツキ | 作成日時:2022年3月8日 23時

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