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余りにも突然で、目の前が真っ暗になってしまいそうだった。何か怒らせてしまったみたいだ。
たくさん変なことを言ってしまったから？
治くんにかっこいいだなんて口走ってしまったから？
頬に触れられてドキドキしてしまったから？
それとも、彼の妙な謝罪に言及してしまったから？
ほんの少しの間にいろいろやらかしすぎたような気がして、埋まりたくなった。玄関にすたすたと歩いていく彼の背中をぼうっと見つめることしかできない。
それでも何とか立ち上がって、治くんを追いかける。靴を履いた治くんが私を見下ろしていた。
背が高い治くんだから、なんだかそれだけで怖かった。
「ありがとう、野菜」
「え、うん」
上手に言葉が返せない。あからさまに無愛想になった治くんに、身がすくむ。
怒らせてしまったこともだし、このまま嫌われてしまったらどうしよう、なんていうネガティブ思考が私を侵食し始めているのだ。
鍵を開けるその音すら鈍く頭に響く。空いたドアから入り込む熱気に、胸の中を掻きまわされた。
「……またね、」
「おん、おじゃましました」
彼は私にひらひらと手を振って、エレベーターの方へ歩いていく。
そっと閉めたドアに鍵をかけてドアチェーンを掛けた私は、そのまま玄関の扉にもたれかかった。
さっきの一瞬で何があったんだっけ、って反芻した。
たしか、ハーブティーを飲みながらおしゃべりをしてる時に、私がついいらないことを口走ってしまったんだよね。それからそれに気づいてむせて、治くんが背中をさすってくれて、そしたら急にほっぺ触られて、謝られたからなんでって聞いたんだ。
改めて考えてみても、相当ひどい。どっちかが明確に悪いということもない気はするけれど、失言を連発したことは事実だ。治くんが呆れて帰ってしまうのも無理はない……だろう。
「はああああああ」
私のため息は換気扇に吸い取られた。洗い物をしないといけないなあと蛇口をひねる。
流れていく水を見つめながら、次会うときにはどんな顔をしたらいいだろうか、なんて考えてみるけれど、答えは出そうにない。
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雛(プロフ) - ネオンガールさん» ありがとうございます！よかったです！！！ (2018年12月24日 18時) (
レス) id: 7dd974e27d (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - Blueさん» そう言っていただけるとこちらとしても非常に嬉しいです！最後までお付き合いいただきありがとうございました(；；)次回作も鋭意準備中ですので、楽しみにお待ちいただけたらと思います！ (2018年12月24日 18時) (レス) id: 7dd974e27d (このIDを非表示/違反報告)
ネオンガール(プロフ) - 雛さん» めっちゃキュンキュンしました！！笑 (2018年12月24日 12時) (レス) id: 18c4f82065 (このIDを非表示/違反報告)
Blue - この作品のおかげで治くんがめちゃくちゃ好きになりました。作品の完結おめでとうございます！お疲れ様でした！そして、書いて下さりありがとうございました！次回作も楽しみにしています！！ (2018年12月24日 1時) (レス) id: 82a4b13a9b (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - 彩兎さん» コメントと労いのお言葉たいへん嬉しいです。恋愛はもちろんですが、食について掘り下げたお話にしたかったので、少食に共感していただけるとこちらも書いた甲斐があるなと思います。こちらこそ最後までお付き合いいただきありがとうございました！ (2018年12月24日 0時) (レス) id: 7dd974e27d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛
| 作者ホームページ：https://twitter.com/pp__synd
作成日時：2018年11月4日 17時
