26話 仔犬に初恋 ページ27
*
俺が思っていたよりずっと、あいつは周りから好かれていて。
俺が考えていたよりずっと、幼馴染のチーノという男は厄介だった。
”私とチーノ？幼馴染だよ！ねっ、チーノ！”
”そうですよ？小さい頃はA姉ちゃんと一緒に風呂入って一緒に寝てたし！”
”なんだかんだ中1くらいまでは寝るの一緒だったね”
”姉ちゃんが一人で寝れないって俺のとこ入ってきたからなぁ？”
”ちょっと！それはないしょ！”
目の前で楽しそうに俺の知らない過去の話しをする二人に胸がズキズキと痛み、無意識に嚙み締めた歯がギリリと音を立てる。
Aのラブコールや距離の近さは相変わらずだけど二年生になった俺たちは先輩と呼ばれる立場になっていた。
登下校はチーノと帰るAの後姿を弱い俺は何も言えずに見送るだけ。
shp「ロボロさんいいんすかチーノの好きにさせて。」
「なんやショッピくん。心配してくれとるんか？」
shp「あー、いや、まぁ…そんなとこっすね。」
「ええよなぁ。幼馴染…ずっと一緒に居ったんやもんな」
生徒会室の窓に叩きつけるように降り続く雨を眺めてそう呟けば雨はまた強くなった。
shp「……あいつらの中での幼馴染と好きな人は別だと思うっすけどね」
ーーーザァーザァー
「…？なんて言うた？雨の音で聞こえんかった」
shp「いや。ロボロさんも恋煩いとかするんすね。」
「はっ、はぁ?!」
ショッピくんはブルーな気持ちになっている俺を面白がっているようでチェシャ猫のように笑うと、早足で逃げていった。
六月の終わり。
Aやみんなと過ごした春が終わり、夏が訪れる頃
やっと俺はAに恋しているのだと自覚した。
「俺、あいつのことがほんまに好きやったんや…」
か細く呟いた言葉は雨音に溶けて消えた。
zm「ろぼろぉ〜これわからん！」
「…！いまいくわ」
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ゆき(プロフ) - ゆきのえさん» コメントありがとうございます！ rbさんの二人称=あんさんがskブロや漫画の方でもイメージが強かったり私自身あんさん呼びが好きなので多量になってしまってました;;アンチだなんて全然…！逆にご愛読頂いていてとても嬉しいです;; (2021年8月15日 0時) (
レス) id: 32ec0838cd (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのえ(プロフ) - お話ものすごく大好きです…かわいい…。一つ気になるのが、二人称があんさん、のことが多いと思うんですけど、日常的に使うことはほぼないので読んでいて違和感が…泣泣 それ以外は本当に大好きです…もしもアンチみたいに思われたらごめんなさい… (2021年8月13日 19時) (レス) id: 58c6c5fd15 (このIDを非表示/違反報告)
彩世(プロフ) - あぁぁぁあもどかしい！！早くくっつけ！！更新頑張ってください！ (2021年8月12日 9時) (レス) id: ae3caf883a (このIDを非表示/違反報告)
Ono - あぁもう付き合えって (2021年7月3日 16時) (レス) id: 349a20a4df (このIDを非表示/違反報告)
bookuu(プロフ) - 自分はアペ派でした。すいません。 (2021年4月17日 16時) (レス) id: 995a48bf81 (このIDを非表示/違反報告)
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