【d!】未来へのカウンセリング【shp】【完結】 (ページ1)

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雨の降る冬の日。

大学が終わりいつものように彼女のAと電話をしていた。
人の心へ虹をかけたいと口癖のように言っているAは俺と同じくカウンセラーになる夢を追いかけ、勉学に励む彼女の横顔を隣の席で見るのが俺の好きな時間だ。

『それで教授に面倒ごと押し付けられてさぁ…やっと帰れるよ』

「おつかれ。今日も家来るんやろ？」

『いくいく～!!今踏切だからもうすぐ着くよ』

「踏切？近いから俺もそっち行くわ」

俺の家に来るまでの道のりで、彼女が渡る踏切は一つしかないため合流しようと来た道を戻り始めた時。
さっきまで早く会いたいなどかわいいことを言っていた彼女の電話口から聞こえたのは、遮断機が下りる音と困惑する彼女の声。

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「ショッピごめん、私死んじゃうかも」

その言葉を最後に俺の耳に届いたのはバキバキと"何か"が壊れる音だった。

「A…？」

＿＿＿＿＿ﾂｰﾂｰﾂｰ

電話は切れていた。
無意識に踏切へ向かう足が早まった彼女が待っているはずの踏切は、ざわめく声と遠くから聞こえるサイレンの音で騒がしかった。

「女の子が…！女の子が轢かれた…‼‼」
「大丈夫ですか?!」

泣き崩れパニックになる女性をパトカーから降りてきた婦人警官が抱き留める。

人だかりの後ろから周りを見渡しても一向に彼女が見つからない。人だかりをかき分けて遮断機の目の前に行くと目を背けたい光景が広がっていた