反則八重歯（匠海） ページ9
･
「先生おはようございます」
匠「おぉ〜！おはようA」
「今日前髪の調子いい感じですね」
匠「やんな！？やから今日めっちゃテンション高いねん」
前髪の調子がいいからテンションも高くなるなんてそんな今どきのJKみたいなことを言うこの人が、私の好きな人。
すごくすごく熱くて一緒に居ると暑苦しく感じることもあるくらいに何事に対しても熱い人で、それでいて優しい人。
はにかんだ時にひょっこり見えるその八重歯が可愛くて、だけど先生は若い時から矯正しておけば良かったなんて言う。
八重歯があることで先生の可愛さは増し増しになるんだから、そんなことしなくて正解だったよ。絶対。
顔が良いのは勿論だけど、人として本当に尊敬できる人。
誰にでも分け隔てなく優しくて、出来ない人を置いてけぼりにするなんて何があってもしない人。
教師なんだから当たり前じゃんと言われればそこまでだし、それは私が先生のことを好きだからゆえの過大評価かもしれないけど、好きなんだからしょうがない。
･
「…あっつ…」
体育館の外ではセミがうるさいほどに鳴いていて、私の頬には汗がタラタラと伝って気持ち悪い。
こんな蒸された体育館でドッジボールするとかもっと女の子のこと考えてよね、とは思う。
雨さえ降らなければ外でサッカーの予定だったのに。
匠海先生はすごい楽しそうにドッジボールの審判をしていて、そんな顔が見れただけでやっぱりドッジボールで良かったかもなんて思ってしまう私、どれだけ単純なんだろう。
…なんだかフワフワする。
落ち着く匂いがして、その大きな背中からは温かい体温も伝わってくる。
すごく幸せな気持ちに包まれる。
匠「…あ…目覚めたん？」
「…えっと…」
匠「ほんま急に倒れたから焦ったんやで？」
そう言って先生は私のおでこに優しくデコピンをした。
匠「水分補給全然してへんかったんとちゃう？」
「今日こんなに暑くなるって知らなくて…持ってきてなかったです」
匠「…これ、飲みな？」
差し出されたのは私の大好きなサイダー
「…ふふ…スポーツドリンクじゃないんですね笑」
匠「文句言うんやったらあげへんで！」
「ううん、貰います笑」
先生ありがとう
そう伝えれば先生は私の頭に手を置いて
Aを助けたのが俺で良かった
そう言って保健室を去っていった。
そんな愛おしそうな瞳で私を見ないで。
いや、やっぱり私しか映さないで
なんて私のワガママですか？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 475人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
湊(プロフ) - あいうさん» コメントありがとうございます😭そのお言葉が本当に本当に私の創作意欲に繋がります…！！至らないところだらけだとは思いますがこれからも読んでくださると嬉しいです💓 (2022年6月5日 21時) (
レス) id: 24b5647c5f (このIDを非表示/違反報告)
あいう(プロフ) - どのお話もキュンキュンしながら読ませていただいてます！これからも更新楽しみにしてます(*^^*) (2022年5月29日 19時) (レス) @page47 id: e27a4b5f22 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - みちゅさん» コメントありがとうございます😭JO1の方もそうですが特にINIの短編は上手くいってる自信が無かったので本当にコメント嬉しいです😭今JO1の方が少しスランプなんですが、頑張ってお話書くので読んでくださると嬉しいです💓💞 (2022年5月19日 9時) (レス) id: 24b5647c5f (このIDを非表示/違反報告)
みちゅ(プロフ) - 最後のページ見て梓さんと湊さんが同一人物だったことにとても驚いてます、！INIの短編集もJO1の短編集も大好きです！これからも楽しく拝見させてください^^*更新楽しみにしてます！ (2022年5月18日 18時) (レス) @page44 id: 57d3c5b235 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：湊 | 作成日時：2022年2月13日 2時
